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Cup of Excellence

Cup of Excellence

前回のコラムに少し出てきた、カップオブエクセレンス(COE)。 では、COEとは一体何なのか? COEのマークがあるコーヒーはどのような物なのか? 今回はもう少し詳しくご紹介したいと思います! カップオブエクセレンスとは? カップオブエクセレンス(COE)とは、簡単に言ってしまえば、年に一度開催されるコーヒーの品評会のことです。しかしただの品評会ではありません、COEはその年の最高中の最高品質のコーヒーを決める、言ってしまえばコーヒーのオリンピックのようなものです。 アメリカのNPO団体、アライアンス・フォー・コーヒー・オブ・エクセレンス(ACE)によって運営されているもので、高品質のコーヒーを見つけ、評価し、格付けするために行われています。 厳しい審査を通った最高級のコーヒーにのみCOEの称号は与えられます。 入賞したコーヒーがインターネットでオークションにかけられるのもCOEの特徴です。 多くのコーヒーバイヤーが最高級のコーヒーを手に入れようとオークションに参加します。 約450gのコーヒーに40米ドル以上、時には100米ドル近くの値が付くことも少なくなく、COE認証を受けるコーヒーがいかに高品質かを物語っています。 カップオブエクセレンスの称号を得るまで COEの品評会は現在、ブラジル、グアテマラ、ニカラグア、エルサルバドル、ホンジュラス、コロンビア、コスタリカ、ルワンダ、ブルンジ、メキシコ、ペルーの11か国で行われています。(以前はボリビアでも行われていましてが現在は撤退しています) 毎年各国で審査が行われ、その国の最高級のコーヒーを決めているのです。 ここではCOEの称号を得るまでにどれほどの厳しい審査を潜り抜けているのかを見ていきましょう。 参加資格 出品者のCOE品評会の参加資格はとてもシンプルです。それは「コーヒー生産者であること」それだけです。 国のすべての農家にたいしてCOEはオープンで、農園の規模の大小、個人や協同組合といった形態関係なく1サンプルを無料で出品することができます。 コーヒーの選定基準 COEに参加することはとても簡単ですが、コーヒーへの評価はとても厳しいものです。 第一次選考として、香りや風味、後味の印象や酸の質、バランスの良さなど様々な項目ごとに評価される採点が行われます。公平性を保つため、採点者にコーヒーの生産農家などの情報は一切与えられない状況で採点されます。 全てのコーヒーの内、100点満点中86点以上を獲得した、コーヒーのみ次のステージに進むことが許されます。 86点という高得点を取れるコーヒーはそう多くありません。またどれか一つでも重大な欠点がある場合すぐに除外されてしまう為、すべての面において素晴らしいコーヒーのみ次に進むことができるのです。 コンペティション COEはコンペティションという形で6ラウンドに分けられ行われます。 まず第一ラウンドとして、国内のプロのカッパー(カッピングをする人)によって採点されます。 時に400以上のコーヒーサンプルが出品される中から、86点以上の最大150のコーヒーサンプルが次のステージに進むことができます。 第二、第三ラウンドでも国内のカッパーによって採点され、第二ラウンド後で90サンプルまで、第三ラウンドで40サンプルまで絞り込みます。 第四ラウンド以降は、国際的に優れたカッパーによって採点されます。 第四ラウンドとして一度、国外のカッパーによってカッピングされ、国内カッパーからの引継ぎを行います。...

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前回のコラムに少し出てきた、カップオブエクセレンス(COE)。 では、COEとは一体何なのか? COEのマークがあるコーヒーはどのような物なのか? 今回はもう少し詳しくご紹介したいと思います! カップオブエクセレンスとは? カップオブエクセレンス(COE)とは、簡単に言ってしまえば、年に一度開催されるコーヒーの品評会のことです。しかしただの品評会ではありません、COEはその年の最高中の最高品質のコーヒーを決める、言ってしまえばコーヒーのオリンピックのようなものです。 アメリカのNPO団体、アライアンス・フォー・コーヒー・オブ・エクセレンス(ACE)によって運営されているもので、高品質のコーヒーを見つけ、評価し、格付けするために行われています。 厳しい審査を通った最高級のコーヒーにのみCOEの称号は与えられます。 入賞したコーヒーがインターネットでオークションにかけられるのもCOEの特徴です。 多くのコーヒーバイヤーが最高級のコーヒーを手に入れようとオークションに参加します。 約450gのコーヒーに40米ドル以上、時には100米ドル近くの値が付くことも少なくなく、COE認証を受けるコーヒーがいかに高品質かを物語っています。 カップオブエクセレンスの称号を得るまで COEの品評会は現在、ブラジル、グアテマラ、ニカラグア、エルサルバドル、ホンジュラス、コロンビア、コスタリカ、ルワンダ、ブルンジ、メキシコ、ペルーの11か国で行われています。(以前はボリビアでも行われていましてが現在は撤退しています) 毎年各国で審査が行われ、その国の最高級のコーヒーを決めているのです。 ここではCOEの称号を得るまでにどれほどの厳しい審査を潜り抜けているのかを見ていきましょう。 参加資格 出品者のCOE品評会の参加資格はとてもシンプルです。それは「コーヒー生産者であること」それだけです。 国のすべての農家にたいしてCOEはオープンで、農園の規模の大小、個人や協同組合といった形態関係なく1サンプルを無料で出品することができます。 コーヒーの選定基準 COEに参加することはとても簡単ですが、コーヒーへの評価はとても厳しいものです。 第一次選考として、香りや風味、後味の印象や酸の質、バランスの良さなど様々な項目ごとに評価される採点が行われます。公平性を保つため、採点者にコーヒーの生産農家などの情報は一切与えられない状況で採点されます。 全てのコーヒーの内、100点満点中86点以上を獲得した、コーヒーのみ次のステージに進むことが許されます。 86点という高得点を取れるコーヒーはそう多くありません。またどれか一つでも重大な欠点がある場合すぐに除外されてしまう為、すべての面において素晴らしいコーヒーのみ次に進むことができるのです。 コンペティション COEはコンペティションという形で6ラウンドに分けられ行われます。 まず第一ラウンドとして、国内のプロのカッパー(カッピングをする人)によって採点されます。 時に400以上のコーヒーサンプルが出品される中から、86点以上の最大150のコーヒーサンプルが次のステージに進むことができます。 第二、第三ラウンドでも国内のカッパーによって採点され、第二ラウンド後で90サンプルまで、第三ラウンドで40サンプルまで絞り込みます。 第四ラウンド以降は、国際的に優れたカッパーによって採点されます。 第四ラウンドとして一度、国外のカッパーによってカッピングされ、国内カッパーからの引継ぎを行います。...

生産地を知ろう!:ホンジュラス編

生産地を知ろう!:ホンジュラス編

中南米で最大のコーヒー生産国はブラジルだと、コーヒーに詳しくない人でも知っていると思います。 では中米だけに的を絞ったら、一番大きいコーヒー生産国はどこでしょう? それは、日本の約三分の一の面積しかない小さな国、ホンジュラスです。 カリブ海に面するこの美しい国のコーヒーとその生産がどのようなものか、生産地を知ろうシリーズ第4弾、ホンジュラスをご紹介します! 生産概要 中米最大のコーヒー生産国、ホンジュラス。 高い山が多くそびえるこの国では、火山性に富んだ土壌や、標高の高い地での生産といった、高品質なコーヒーが生まれる条件が揃っています。 そんなホンジュラスの生産概要を見ていきましょう! 生産量 国際コーヒー機関のデータによると、ホンジュラスの2018年のコーヒー生産量は745万袋分、重さにすると44万7千トン分です。 これは、中米では第1位、世界では第6位の生産量で、世界の総生産に占める割合は約4%です。 生産されているのは基本的にアラビカ種で、小規模農園によって、日焼けの樹、シェードツリーをコーヒーと一緒に植える、有機栽培が行われています。 生産環境 ホンジュラスでのコーヒー生産量が増えたのは2001年以降で、他国に比べて少し遅れ気味でした。 しかし、ホンジュラス・コーヒー協会の活動による、生産者支援施設の建設、生産者の研修や育成支援を経て今では中米最大の生産国です。 またホンジュラスのコーヒーはトレーサビリティが備わっていることでも注目されていて、どの農家が作ったのかや、どの生産者団体が関与していたかなど、細かな生産履歴を知ることができます。 ホンジュラスには良質なコーヒーを生み出す環境が備わっていますが、一つだけ品質に影響する問題があります。それは降雨量の多さです。 雨によって精製後の豆の乾燥が妨げられ、品質に影響が出てしまうため、この問題解決のために様々な取り組みが行われています。 等級 ホンジュラスのコーヒーの等級はその栽培地の標高に従って評価されます。 栽培地の標高が1200m以上ならば「ストリクトリー・ハイ・グロウン(SHG)」と呼ばれ、900m~1200mの場合「ハイ・グロウン(HG)」と呼ばれています。 ちなみに、更にその下の600m~900mの場合は、「セントラル・スタンダード(CS)」と呼ばれています。 主な生産地 11月から4月にかけてあらゆる地域でコーヒーが採れるホンジュラスその中でも注目されている地域をご紹介します。 コパン地域 ホンジュラス西部、グアテマラと隣接する地域で、コパン県とその周辺の4県を含めた地域です。 ココアのような甘みとしっかりとしたコクのあるコーヒーが特徴的。 モンテシージョス コパン地域と隣接している地域で、この地域内のマルカラやラパスといった地区が注目されています。 標高の高い栽培地が多いことでも有名です。...

生産地を知ろう!:ホンジュラス編

中南米で最大のコーヒー生産国はブラジルだと、コーヒーに詳しくない人でも知っていると思います。 では中米だけに的を絞ったら、一番大きいコーヒー生産国はどこでしょう? それは、日本の約三分の一の面積しかない小さな国、ホンジュラスです。 カリブ海に面するこの美しい国のコーヒーとその生産がどのようなものか、生産地を知ろうシリーズ第4弾、ホンジュラスをご紹介します! 生産概要 中米最大のコーヒー生産国、ホンジュラス。 高い山が多くそびえるこの国では、火山性に富んだ土壌や、標高の高い地での生産といった、高品質なコーヒーが生まれる条件が揃っています。 そんなホンジュラスの生産概要を見ていきましょう! 生産量 国際コーヒー機関のデータによると、ホンジュラスの2018年のコーヒー生産量は745万袋分、重さにすると44万7千トン分です。 これは、中米では第1位、世界では第6位の生産量で、世界の総生産に占める割合は約4%です。 生産されているのは基本的にアラビカ種で、小規模農園によって、日焼けの樹、シェードツリーをコーヒーと一緒に植える、有機栽培が行われています。 生産環境 ホンジュラスでのコーヒー生産量が増えたのは2001年以降で、他国に比べて少し遅れ気味でした。 しかし、ホンジュラス・コーヒー協会の活動による、生産者支援施設の建設、生産者の研修や育成支援を経て今では中米最大の生産国です。 またホンジュラスのコーヒーはトレーサビリティが備わっていることでも注目されていて、どの農家が作ったのかや、どの生産者団体が関与していたかなど、細かな生産履歴を知ることができます。 ホンジュラスには良質なコーヒーを生み出す環境が備わっていますが、一つだけ品質に影響する問題があります。それは降雨量の多さです。 雨によって精製後の豆の乾燥が妨げられ、品質に影響が出てしまうため、この問題解決のために様々な取り組みが行われています。 等級 ホンジュラスのコーヒーの等級はその栽培地の標高に従って評価されます。 栽培地の標高が1200m以上ならば「ストリクトリー・ハイ・グロウン(SHG)」と呼ばれ、900m~1200mの場合「ハイ・グロウン(HG)」と呼ばれています。 ちなみに、更にその下の600m~900mの場合は、「セントラル・スタンダード(CS)」と呼ばれています。 主な生産地 11月から4月にかけてあらゆる地域でコーヒーが採れるホンジュラスその中でも注目されている地域をご紹介します。 コパン地域 ホンジュラス西部、グアテマラと隣接する地域で、コパン県とその周辺の4県を含めた地域です。 ココアのような甘みとしっかりとしたコクのあるコーヒーが特徴的。 モンテシージョス コパン地域と隣接している地域で、この地域内のマルカラやラパスといった地区が注目されています。 標高の高い栽培地が多いことでも有名です。...

生産地を知ろう!:インドネシア編

生産地を知ろう!:インドネシア編

生産地を知ろうシリーズ、これまではアフリカの生産国を紹介してきましたが、ここで一度グッと日本のご近所に話を移したいと思います! コーヒーと聞くと、ラテンアメリカやアフリカのイメージを持つ人も多いかもしれませんが、アジアの生産国も負けてはいません。 他の地域にはない独特な味わいを感じることができるアジア産のコーヒーは多くの人を虜にしています。 今回は、アジアのコーヒー生産国として、世界最多の島数を誇るインドネシアについてご紹介します! 生産概要 たくさんの島が集まるインドネシア。 この国では病気や災害によってアラビカ種のコーヒーが全滅してしまったという歴史から、病気に強いロブスタ種が多く栽培されています。 それでもなお、インドネシア産のアラビカ種はマンデリンコーヒーとして知られ、多くの人々に愛飲されています。 アジア有数の生産国インドネシアの生産概要を見ていきましょう! 生産量 今回も国際コーヒー機関(ICO)のデータを参考に、2018年のインドネシア全体のコーヒー生産量は1020万袋分、重さにすると61万2千トン。 アジアではベトナムに次ぐ第2位で、世界では第4位の生産量を誇ります。 また世界の生産量から見ると、約6%がインドネシアのコーヒーということになります。 ただ、インドネシアでは基本ロブスタ種が多く栽培されているため、品種別に考えるとまた少し変わってきます。 スマトラ式加工法 インドネシアでは精製加工の際に、ギリン バザーと呼ばれるスマトラ式の加工法を用いています。 雨が多いため乾燥に時間がかからないようにするため、また水が貴重な資源であるというインドネシアだからこそ生まれた加工法で、工程はパルプドナチュラルに近いものがあります。 果肉除去の後、ミューシレージが残った状態で一時乾燥。十分に乾ききる前に脱穀し、その後、最終乾燥を行う方法です。 生豆は独特な深緑色に仕上がるのが特徴です。 主な生産地 1万4千以上の島の集合であるインドネシアでは島ごとで品種など少々異なる点があるので、インドネシアの主要な生産地域の、スマトラ島、スラウェシ島にフォーカスを当てて見ていきましょう。 スマトラ島 インドネシアの生産量の70%以上を占めていて、その多くはロブスタ種。 アチェ州やリントンが有名で、コーヒー関係の話題によく出る、「マンデリン」はスマトラ島北部で栽培されているアラビカ種を指す言葉です。 スマトラ島のコーヒーは、重みのある独特な舌触りが特徴で、スギやスパイスといった風味が魅力です。 栽培品種の割合は、ロブスタ種が約7割で、ティピカやブルボンといったアラビカ種が約3割で、収穫期は10月~3月です。 スラウェシ島 生産量に占める割合は10%未満ではありますが、アラビカ種の栽培量が最も多いのが、スラウェシ島で収穫期は7月~9月です。 栽培品種の割合は、ロブスタ種が約1割、アラビカ種が約9割と他の島々とは真逆。 有名な生産地はトラジャやカロシと言う地域で、インドネシア産のコーヒーのパッケージにもよく使われます。...

生産地を知ろう!:インドネシア編

生産地を知ろうシリーズ、これまではアフリカの生産国を紹介してきましたが、ここで一度グッと日本のご近所に話を移したいと思います! コーヒーと聞くと、ラテンアメリカやアフリカのイメージを持つ人も多いかもしれませんが、アジアの生産国も負けてはいません。 他の地域にはない独特な味わいを感じることができるアジア産のコーヒーは多くの人を虜にしています。 今回は、アジアのコーヒー生産国として、世界最多の島数を誇るインドネシアについてご紹介します! 生産概要 たくさんの島が集まるインドネシア。 この国では病気や災害によってアラビカ種のコーヒーが全滅してしまったという歴史から、病気に強いロブスタ種が多く栽培されています。 それでもなお、インドネシア産のアラビカ種はマンデリンコーヒーとして知られ、多くの人々に愛飲されています。 アジア有数の生産国インドネシアの生産概要を見ていきましょう! 生産量 今回も国際コーヒー機関(ICO)のデータを参考に、2018年のインドネシア全体のコーヒー生産量は1020万袋分、重さにすると61万2千トン。 アジアではベトナムに次ぐ第2位で、世界では第4位の生産量を誇ります。 また世界の生産量から見ると、約6%がインドネシアのコーヒーということになります。 ただ、インドネシアでは基本ロブスタ種が多く栽培されているため、品種別に考えるとまた少し変わってきます。 スマトラ式加工法 インドネシアでは精製加工の際に、ギリン バザーと呼ばれるスマトラ式の加工法を用いています。 雨が多いため乾燥に時間がかからないようにするため、また水が貴重な資源であるというインドネシアだからこそ生まれた加工法で、工程はパルプドナチュラルに近いものがあります。 果肉除去の後、ミューシレージが残った状態で一時乾燥。十分に乾ききる前に脱穀し、その後、最終乾燥を行う方法です。 生豆は独特な深緑色に仕上がるのが特徴です。 主な生産地 1万4千以上の島の集合であるインドネシアでは島ごとで品種など少々異なる点があるので、インドネシアの主要な生産地域の、スマトラ島、スラウェシ島にフォーカスを当てて見ていきましょう。 スマトラ島 インドネシアの生産量の70%以上を占めていて、その多くはロブスタ種。 アチェ州やリントンが有名で、コーヒー関係の話題によく出る、「マンデリン」はスマトラ島北部で栽培されているアラビカ種を指す言葉です。 スマトラ島のコーヒーは、重みのある独特な舌触りが特徴で、スギやスパイスといった風味が魅力です。 栽培品種の割合は、ロブスタ種が約7割で、ティピカやブルボンといったアラビカ種が約3割で、収穫期は10月~3月です。 スラウェシ島 生産量に占める割合は10%未満ではありますが、アラビカ種の栽培量が最も多いのが、スラウェシ島で収穫期は7月~9月です。 栽培品種の割合は、ロブスタ種が約1割、アラビカ種が約9割と他の島々とは真逆。 有名な生産地はトラジャやカロシと言う地域で、インドネシア産のコーヒーのパッケージにもよく使われます。...

生産地を知ろう!:ルワンダ編

生産地を知ろう!:ルワンダ編

生産地を知ろうシリーズ、前回はコーヒー発祥の地エチオピアをご紹介しました。 今回は同じアフリカ大陸の「ルワンダ共和国」をご紹介します! 四国の1.5倍程度の小さな国ですが、美しい自然と街が広がる素敵な国です。 1994年からのルワンダ大虐殺という暗い時代を乗り越えたこの国では、多くのファンを魅了するコーヒーが生み出されています。 生産概要 高いポテンシャルを持つコーヒー新興国、ルワンダ。この国において輸入収入の約50%を占めるコーヒーは社会経済状況向上ため重要な作物です。 そんなアフリカのこの国の生産概要を見ていきましょう。 生産量 国際コーヒー機関(International Coffee Organization-ICO)によると、ルワンダの2018年コーヒー生産量は、25万袋分。一袋が60㎏なので、1万5千トンのコーヒーが生産されています。 生産量ランキングで言えば、アフリカでは第10位、世界では第29位です。 世界の生産量から見ると、約0.15%をエチオピアのコーヒーが占めていることになります。 栽培方法 ルワンダで栽培されているほとんどの品種がスペシャリティコーヒーとして取り扱われることが多いアラビカ種。また缶コーヒーなんかに使われることもあるロブスタ種も一部栽培されていて、収穫時期は品種によって異なります。 アラビカ種は3月~8月、ロブスタ種は5月~6月の間に収穫されます。 ルワンダでは、約50万の小規模農家によってコーヒーが栽培されていて、有機肥料を使わない自然栽培を行っています。 精製は、以前はナチュラルが主流でしたが、スペシャリティーコーヒーブームの影響もあり、ウォッシュドが推奨され、ステーションの数も増え今ではウォッシュドの方が主流です。 また等級はカッピングと欠点数によって5段階に分けられ評価されます。 主な生産地 アフリカ大陸の中央に位置するルワンダでは、コーヒー栽培は広い地域で行われています。 「千の丘の国」と呼ばれるルワンダは起伏に激しく、多くの山々がそびえ立ちます。それらの険しい山の中腹や火山灰性の土壌を多く蓄えた高地にてコーヒーは栽培されています。 栽培地域は主に4つに分けることができます。 柑橘系のやカラメルの風味を持ちバランス的な甘さのあるコーヒーが多い、北部州。 フローラルなアロマを持ち、ジューシーな口当たりを演出するコーヒーが多い、ギブ湖周辺の西部州。 花や柑橘系の香りが特徴的で繊細な口当たりを持つものが多い、中央高原周辺の南部州。 そして、チョコレートやベリー系の風味が特徴のものが多い、東部州です。 特徴 ルワンダのコーヒーは、フルーツの甘い香りやフローラルな香りが特徴的です。 ブルボン種が多いこともあり、その澄んだ香りも一つの特徴と言えるでしょう。...

生産地を知ろう!:ルワンダ編

生産地を知ろうシリーズ、前回はコーヒー発祥の地エチオピアをご紹介しました。 今回は同じアフリカ大陸の「ルワンダ共和国」をご紹介します! 四国の1.5倍程度の小さな国ですが、美しい自然と街が広がる素敵な国です。 1994年からのルワンダ大虐殺という暗い時代を乗り越えたこの国では、多くのファンを魅了するコーヒーが生み出されています。 生産概要 高いポテンシャルを持つコーヒー新興国、ルワンダ。この国において輸入収入の約50%を占めるコーヒーは社会経済状況向上ため重要な作物です。 そんなアフリカのこの国の生産概要を見ていきましょう。 生産量 国際コーヒー機関(International Coffee Organization-ICO)によると、ルワンダの2018年コーヒー生産量は、25万袋分。一袋が60㎏なので、1万5千トンのコーヒーが生産されています。 生産量ランキングで言えば、アフリカでは第10位、世界では第29位です。 世界の生産量から見ると、約0.15%をエチオピアのコーヒーが占めていることになります。 栽培方法 ルワンダで栽培されているほとんどの品種がスペシャリティコーヒーとして取り扱われることが多いアラビカ種。また缶コーヒーなんかに使われることもあるロブスタ種も一部栽培されていて、収穫時期は品種によって異なります。 アラビカ種は3月~8月、ロブスタ種は5月~6月の間に収穫されます。 ルワンダでは、約50万の小規模農家によってコーヒーが栽培されていて、有機肥料を使わない自然栽培を行っています。 精製は、以前はナチュラルが主流でしたが、スペシャリティーコーヒーブームの影響もあり、ウォッシュドが推奨され、ステーションの数も増え今ではウォッシュドの方が主流です。 また等級はカッピングと欠点数によって5段階に分けられ評価されます。 主な生産地 アフリカ大陸の中央に位置するルワンダでは、コーヒー栽培は広い地域で行われています。 「千の丘の国」と呼ばれるルワンダは起伏に激しく、多くの山々がそびえ立ちます。それらの険しい山の中腹や火山灰性の土壌を多く蓄えた高地にてコーヒーは栽培されています。 栽培地域は主に4つに分けることができます。 柑橘系のやカラメルの風味を持ちバランス的な甘さのあるコーヒーが多い、北部州。 フローラルなアロマを持ち、ジューシーな口当たりを演出するコーヒーが多い、ギブ湖周辺の西部州。 花や柑橘系の香りが特徴的で繊細な口当たりを持つものが多い、中央高原周辺の南部州。 そして、チョコレートやベリー系の風味が特徴のものが多い、東部州です。 特徴 ルワンダのコーヒーは、フルーツの甘い香りやフローラルな香りが特徴的です。 ブルボン種が多いこともあり、その澄んだ香りも一つの特徴と言えるでしょう。...

生産地を知ろう!:エチオピア編

生産地を知ろう!:エチオピア編

淹れ方、焙煎度、加工法、品種そして産地、様々な要素が味わいに影響を及ぼすコーヒーにおいて、それぞれの違いによって生まれる味わいの差を感じることもコーヒーの楽しみ方の一つです。 同じ産地、品種の豆でも加工法が違えば味わいは変わりますし、同じ産地、加工法の豆でも焙煎度や淹れ方が変わればまた変わります。 そのため、飲んでいるコーヒーの情報を知ることは、自分の好みを知るという点からもとてもとても大切です。 というわけで今回は、コーヒーを知るうえで最も大きな括りとなる「生産地」の情報をお届けする、「生産地を知ろうシリーズ」の第一弾として、コーヒーの始まりの地、エチオピアのコーヒー生産やコーヒーの特徴をご紹介します! 生産概要 コーヒー発祥の地であり、ここからコーヒーの種や苗木が世界中に広まる起点であったエチオピア。 アフリカのこの国でのコーヒー生産概要を見ていきましょう。 生産量 国際コーヒー機関(International Coffee Organization-ICO)によると、エチオピアの2018年コーヒー生産量は、750 万袋分。一袋が60㎏なので、4億5000万㎏のコーヒーが生産されています。 生産量ランキングで言えば、アフリカでは第1位、世界では第5位です。 世界の生産量から見ると、約4%をエチオピアのコーヒーが占めていることになります。 栽培方法 コーヒーの収穫は主に10月~12月に行われる。 品種はすべてアラビカ種に属するもので、その多種性は他国に比べすさまじく、具体的な品種がわかっていないものも少なくありません。 エチオピアのコーヒー栽培では、「農園」の形態は少なく、自然の力に頼り、人の手をかけない栽培が一般的です。栽培方法は主に4つに分類されます。 フォレストコーヒー 自生しているコーヒーの樹から実を収穫するもの。 セミフォレストコーヒー 自然林に間引きなど少し手を加え、自生している樹が育ちやすいようにしたうえで収穫するもの。 ガーデンコーヒー 農家が自宅周辺で他の作物と一緒にコーヒーを栽培する方法。エチオピアで最も典型的で生産量の多くを占める。 プランテーションコーヒー 農園で集約的に栽培する方法。生産量の10%程度がこの形。 精製処理に用いられるのは、ナチュラルとウォッシュド。 伝統的なナチュラルの方が一般的で約70%がナチュラル製法で加工されています。 一方でウォッシュドはイルガチェフェなどの一部の地域で行われています。しかし、ウォッシュドの方が品質が高く、高価で取引されることもあり政府がウォッシュドを推奨していることもあり、ウォッシュドの割合も増えてきているようです。 等級...

生産地を知ろう!:エチオピア編

淹れ方、焙煎度、加工法、品種そして産地、様々な要素が味わいに影響を及ぼすコーヒーにおいて、それぞれの違いによって生まれる味わいの差を感じることもコーヒーの楽しみ方の一つです。 同じ産地、品種の豆でも加工法が違えば味わいは変わりますし、同じ産地、加工法の豆でも焙煎度や淹れ方が変わればまた変わります。 そのため、飲んでいるコーヒーの情報を知ることは、自分の好みを知るという点からもとてもとても大切です。 というわけで今回は、コーヒーを知るうえで最も大きな括りとなる「生産地」の情報をお届けする、「生産地を知ろうシリーズ」の第一弾として、コーヒーの始まりの地、エチオピアのコーヒー生産やコーヒーの特徴をご紹介します! 生産概要 コーヒー発祥の地であり、ここからコーヒーの種や苗木が世界中に広まる起点であったエチオピア。 アフリカのこの国でのコーヒー生産概要を見ていきましょう。 生産量 国際コーヒー機関(International Coffee Organization-ICO)によると、エチオピアの2018年コーヒー生産量は、750 万袋分。一袋が60㎏なので、4億5000万㎏のコーヒーが生産されています。 生産量ランキングで言えば、アフリカでは第1位、世界では第5位です。 世界の生産量から見ると、約4%をエチオピアのコーヒーが占めていることになります。 栽培方法 コーヒーの収穫は主に10月~12月に行われる。 品種はすべてアラビカ種に属するもので、その多種性は他国に比べすさまじく、具体的な品種がわかっていないものも少なくありません。 エチオピアのコーヒー栽培では、「農園」の形態は少なく、自然の力に頼り、人の手をかけない栽培が一般的です。栽培方法は主に4つに分類されます。 フォレストコーヒー 自生しているコーヒーの樹から実を収穫するもの。 セミフォレストコーヒー 自然林に間引きなど少し手を加え、自生している樹が育ちやすいようにしたうえで収穫するもの。 ガーデンコーヒー 農家が自宅周辺で他の作物と一緒にコーヒーを栽培する方法。エチオピアで最も典型的で生産量の多くを占める。 プランテーションコーヒー 農園で集約的に栽培する方法。生産量の10%程度がこの形。 精製処理に用いられるのは、ナチュラルとウォッシュド。 伝統的なナチュラルの方が一般的で約70%がナチュラル製法で加工されています。 一方でウォッシュドはイルガチェフェなどの一部の地域で行われています。しかし、ウォッシュドの方が品質が高く、高価で取引されることもあり政府がウォッシュドを推奨していることもあり、ウォッシュドの割合も増えてきているようです。 等級...

コーヒー健康法:コーヒーにはどんな効果が?

コーヒー健康法:コーヒーにはどんな効果が?

コーヒーが人体に及ぼす影響にみなさんはどんなイメージを持っていますか? 目が冴える?背が伸びなくなる? プラスなイメージやマイナスなイメージといろいろだとだと思います。 コーヒーが身体にどのように作用するのか、コーヒーは人体に有害なのか有益なのか、たくさんの人が研究し議論してきました。 コーヒーを楽しみとして飲んでいるだけの人たちも知らず知らずのうちに、いろいろな効果を得ています。 せっかくなので、それらの効果を理解して有効活用しちゃいましょう! というわけで今回は、コーヒーが身体にどのような影響を及ぼすか、そしてそれを活用した健康法についてご紹介します! 飲むたびに起こる、急性的な効果 コーヒーを飲むことによって得られる効果には、飲むたびにすぐ効果が出る急性的なものと、習慣的に飲むことによって得られる慢性的なものがあります。 そして、コーヒーを摂取してから早くて数分で効果が現れる急性的なものは、その即効性と有用性から、うまく使えばとても役に立つものが多いです。 コーヒーを摂取することによって得られる急性的効果を理解し活用しましょう! 眠気覚まし・集中力の向上・疲労感の軽減 これらはコーヒーを飲むことで得られる最も代表的な効果と言えるでしょう。 徹夜の時なんかにこれらの効果を期待してコーヒーを飲む人も多いのではないでしょうか? これらは、コーヒーの成分であるカフェインが中枢神経に作用して興奮状態を作りだすことによって得られるものです。 個人差はありますが、だいたい30〜50分の間にはカフェインが吸収され、眠気覚ましなどの効果が得られます。また効果の持続時間は、若い人で2時間程度、高齢者で4時間程度です。 なので、集中したい時の30分前くらいにコーヒーを飲んで有効活用したり、寝る前の約3時間はカフェインの摂取を控えておいたりするといいでしょう! ちなみに、「子どもがコーヒーを飲むと背が伸びなくなる」と言われているのは、夜に眠れなくなってしまい睡眠によって分泌されるはずだった成長ホルモンが出にくくなってしまう、というパターンから勘違いされている迷信です。 夜に眠れれば問題なく、コーヒー自体に成長ホルモンを阻害するような効果はないので安心してください 代謝促進 カフェインが中枢神経に作用することで交換神経にも影響が出て、その結果、血圧の上昇や新陳代謝の促進の効果があります。 これらの効果に目をつけてダイエットなんかに活用している方もいらっしゃるようですね。 コーヒーを飲んでからの運動は、代謝の促進も相まってより効果的、しかもカロリーが低いブラックコーヒーならなおさらよいでしょう。 こちらの効果が出始めるのは、眠気覚ましと同じ30~50分後程度なので、運動の1時間くらい前に飲んでおくといいでしょう! ただし飲みすぎには注意です! 通常の量ならば基本問題はありませんが、過剰に摂取した場合、運動によって負荷がかかることもあり、最悪の場合不整脈を引き起こしてしまうこともあるので気を付けましょう。 消化促進 コーヒーの飲むことによって、カフェインとポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が作用して胃のはたらきが促進して消化を助ける効果があります。 食事の締めにコーヒーが出てくるレストランなんかのように、食事の後にコーヒーを飲むことによって、胃液の分泌が高められ胃への負担が軽減します。 しかし、この効果が行き過ぎてしまうと胃粘膜が傷ついてしまい逆効果になってしまいます。...

コーヒー健康法:コーヒーにはどんな効果が?

コーヒーが人体に及ぼす影響にみなさんはどんなイメージを持っていますか? 目が冴える?背が伸びなくなる? プラスなイメージやマイナスなイメージといろいろだとだと思います。 コーヒーが身体にどのように作用するのか、コーヒーは人体に有害なのか有益なのか、たくさんの人が研究し議論してきました。 コーヒーを楽しみとして飲んでいるだけの人たちも知らず知らずのうちに、いろいろな効果を得ています。 せっかくなので、それらの効果を理解して有効活用しちゃいましょう! というわけで今回は、コーヒーが身体にどのような影響を及ぼすか、そしてそれを活用した健康法についてご紹介します! 飲むたびに起こる、急性的な効果 コーヒーを飲むことによって得られる効果には、飲むたびにすぐ効果が出る急性的なものと、習慣的に飲むことによって得られる慢性的なものがあります。 そして、コーヒーを摂取してから早くて数分で効果が現れる急性的なものは、その即効性と有用性から、うまく使えばとても役に立つものが多いです。 コーヒーを摂取することによって得られる急性的効果を理解し活用しましょう! 眠気覚まし・集中力の向上・疲労感の軽減 これらはコーヒーを飲むことで得られる最も代表的な効果と言えるでしょう。 徹夜の時なんかにこれらの効果を期待してコーヒーを飲む人も多いのではないでしょうか? これらは、コーヒーの成分であるカフェインが中枢神経に作用して興奮状態を作りだすことによって得られるものです。 個人差はありますが、だいたい30〜50分の間にはカフェインが吸収され、眠気覚ましなどの効果が得られます。また効果の持続時間は、若い人で2時間程度、高齢者で4時間程度です。 なので、集中したい時の30分前くらいにコーヒーを飲んで有効活用したり、寝る前の約3時間はカフェインの摂取を控えておいたりするといいでしょう! ちなみに、「子どもがコーヒーを飲むと背が伸びなくなる」と言われているのは、夜に眠れなくなってしまい睡眠によって分泌されるはずだった成長ホルモンが出にくくなってしまう、というパターンから勘違いされている迷信です。 夜に眠れれば問題なく、コーヒー自体に成長ホルモンを阻害するような効果はないので安心してください 代謝促進 カフェインが中枢神経に作用することで交換神経にも影響が出て、その結果、血圧の上昇や新陳代謝の促進の効果があります。 これらの効果に目をつけてダイエットなんかに活用している方もいらっしゃるようですね。 コーヒーを飲んでからの運動は、代謝の促進も相まってより効果的、しかもカロリーが低いブラックコーヒーならなおさらよいでしょう。 こちらの効果が出始めるのは、眠気覚ましと同じ30~50分後程度なので、運動の1時間くらい前に飲んでおくといいでしょう! ただし飲みすぎには注意です! 通常の量ならば基本問題はありませんが、過剰に摂取した場合、運動によって負荷がかかることもあり、最悪の場合不整脈を引き起こしてしまうこともあるので気を付けましょう。 消化促進 コーヒーの飲むことによって、カフェインとポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が作用して胃のはたらきが促進して消化を助ける効果があります。 食事の締めにコーヒーが出てくるレストランなんかのように、食事の後にコーヒーを飲むことによって、胃液の分泌が高められ胃への負担が軽減します。 しかし、この効果が行き過ぎてしまうと胃粘膜が傷ついてしまい逆効果になってしまいます。...