Blog

置いておくだけ、水出しアイスコーヒー
春が来て少し暖かくなり、温かい飲み物だけだった選択肢の中に冷たいものが顔を出してきた人も少なくないのではないでしょうか? ところでここ最近、「水出しコーヒー」や「コールドブリュー」と呼ばれるコーヒーを目にしたことはありませんか? 普通のアイスコーヒーと何が違うのか?家で淹れることはできるのか?今回は水出しのアイスコーヒーに関してご紹介します! 水出しコーヒーとは? 水出しコーヒーとはその名の通り、お湯を使わずに水で抽出するコーヒーのことです。 長い時間をかけて低温で抽出することによって、雑味の少ないコーヒー本来のおいしさを引き出すことができます! 水出しコーヒーは、ここ最近特に注目されていて、ペットボトルコーヒーにも「水出し」を押し出した物も増えました。 更には、水出しコーヒーをビールサーバーのような専用の機械で窒素ガスを含ませながら抽出する、ナイトロコーヒーもここ最近で増えてきています。クリーミーな泡が特徴的なナイトロコーヒーは今後さらに注目を集めることになると思います! 水出しコーヒーの淹れ方 水出しコーヒーを淹れるのは専用の器具があればそう難しくありません。 水出しの方法は主に二つあります。それが... 滴下式 浸漬式 の二つです。 滴下式 コーヒーの粉に水滴を落としてゆっくりと抽出する方法です。 ベースコーヒーが店内で提供している水出しアイスコーヒーも滴下式の器具を使って抽出したものです。 粉の分量は器具ごとに異なりますが、使い方はどれもとても簡単です。 1.粉を器具にセットし少しだけ湿らせておく。 2.タンク部分に水を入れ、粉の上にセットする。 3.抽出し終わるのを待つ。 以上です!セットするだけなので淹れる人によって味が変わるなどの心配はありません。 滴下式にかかる時間はだいたい3~5時間で、浸漬式よりかかる時間は短くすみます。 浸漬式 コーヒーの粉を水に浸けてしばらく置いておく方法です。 浸漬式用の器具は同じ方法で、紅茶を水出しで抽出することができるるので、コーヒーも紅茶も好きな方にはとても便利です。 こちらも使い方はとても簡単 1.粉をセットする。 2.水を入れる。 3.冷蔵庫でしばらく置いておく。...
置いておくだけ、水出しアイスコーヒー
春が来て少し暖かくなり、温かい飲み物だけだった選択肢の中に冷たいものが顔を出してきた人も少なくないのではないでしょうか? ところでここ最近、「水出しコーヒー」や「コールドブリュー」と呼ばれるコーヒーを目にしたことはありませんか? 普通のアイスコーヒーと何が違うのか?家で淹れることはできるのか?今回は水出しのアイスコーヒーに関してご紹介します! 水出しコーヒーとは? 水出しコーヒーとはその名の通り、お湯を使わずに水で抽出するコーヒーのことです。 長い時間をかけて低温で抽出することによって、雑味の少ないコーヒー本来のおいしさを引き出すことができます! 水出しコーヒーは、ここ最近特に注目されていて、ペットボトルコーヒーにも「水出し」を押し出した物も増えました。 更には、水出しコーヒーをビールサーバーのような専用の機械で窒素ガスを含ませながら抽出する、ナイトロコーヒーもここ最近で増えてきています。クリーミーな泡が特徴的なナイトロコーヒーは今後さらに注目を集めることになると思います! 水出しコーヒーの淹れ方 水出しコーヒーを淹れるのは専用の器具があればそう難しくありません。 水出しの方法は主に二つあります。それが... 滴下式 浸漬式 の二つです。 滴下式 コーヒーの粉に水滴を落としてゆっくりと抽出する方法です。 ベースコーヒーが店内で提供している水出しアイスコーヒーも滴下式の器具を使って抽出したものです。 粉の分量は器具ごとに異なりますが、使い方はどれもとても簡単です。 1.粉を器具にセットし少しだけ湿らせておく。 2.タンク部分に水を入れ、粉の上にセットする。 3.抽出し終わるのを待つ。 以上です!セットするだけなので淹れる人によって味が変わるなどの心配はありません。 滴下式にかかる時間はだいたい3~5時間で、浸漬式よりかかる時間は短くすみます。 浸漬式 コーヒーの粉を水に浸けてしばらく置いておく方法です。 浸漬式用の器具は同じ方法で、紅茶を水出しで抽出することができるるので、コーヒーも紅茶も好きな方にはとても便利です。 こちらも使い方はとても簡単 1.粉をセットする。 2.水を入れる。 3.冷蔵庫でしばらく置いておく。...

ベースコーヒー式コーヒーの淹れ方:急冷式アイスコーヒー編
桜が散ったり、コートをクローゼットの奥に追いやったり、いろいろなところから季節の変わり目を感じるこの頃ですが、ベースコーヒーでもある点から日差しの暖かさを感じることがあります… それは、ここ最近アイスコーヒーの注文が増えたことです! 夏になればきっとさらに増えることでしょう… ご自宅でもアイスコーヒーを淹れたくなる方も中にはいるのではないでしょうか? ということで、今回は夏本番に向けて一足先にアイスコーヒーの淹れ方やポイントに関してご紹介します! ベースコーヒー式アイスコーヒーの淹れ方 アイスコーヒーを淹れると一言に言っても、抽出器具による違いや、冷やし方の違いなど、いろいろな方法がありますが、その中でも今回は一番簡単な、ペーパードリップによる急冷式の方法を紹介します! ペーパードリップでのアイスコーヒーの淹れ方は、ほとんどホットコーヒーのものと変わりません。 違う点は... サーバーに氷を入れておく コーヒーを濃く抽出する の二点くらいです。 ペーパードリップの淹れ方に関してはこちら→ベースコーヒー式コーヒーの淹れ方:ペーパードリップ編 アイスコーヒー抽出に必要な物 氷 コーヒー豆(中挽き) お湯(90~95℃) ドリッパー フィルター ケトル(注ぎ口が細い物) 手順1・サーバーに氷をセットする 先にサーバーに氷を入れておきます。 抽出されたコーヒーが氷に落とし、急冷させることによって、より風味を残すことができます。 入れる氷の量は、だいたい出来高の3分の1程度。 ベースコーヒーでは急冷のアイスコーヒー1杯分として、コーヒー20gに氷を75g。2杯分として、コーヒー30gに氷を150g使用しています。 手順2・フィルターと豆をセットする ここからは、ほとんどホットコーヒー抽出と同じです。 フィルターのつなぎ目を折ってセットし、コーヒー粉を入れ表面をならします。 手順3・蒸らし アイスコーヒーの時もホットコーヒー同様に、お湯を少量注ぎ30〜60秒蒸らします。...
ベースコーヒー式コーヒーの淹れ方:急冷式アイスコーヒー編
桜が散ったり、コートをクローゼットの奥に追いやったり、いろいろなところから季節の変わり目を感じるこの頃ですが、ベースコーヒーでもある点から日差しの暖かさを感じることがあります… それは、ここ最近アイスコーヒーの注文が増えたことです! 夏になればきっとさらに増えることでしょう… ご自宅でもアイスコーヒーを淹れたくなる方も中にはいるのではないでしょうか? ということで、今回は夏本番に向けて一足先にアイスコーヒーの淹れ方やポイントに関してご紹介します! ベースコーヒー式アイスコーヒーの淹れ方 アイスコーヒーを淹れると一言に言っても、抽出器具による違いや、冷やし方の違いなど、いろいろな方法がありますが、その中でも今回は一番簡単な、ペーパードリップによる急冷式の方法を紹介します! ペーパードリップでのアイスコーヒーの淹れ方は、ほとんどホットコーヒーのものと変わりません。 違う点は... サーバーに氷を入れておく コーヒーを濃く抽出する の二点くらいです。 ペーパードリップの淹れ方に関してはこちら→ベースコーヒー式コーヒーの淹れ方:ペーパードリップ編 アイスコーヒー抽出に必要な物 氷 コーヒー豆(中挽き) お湯(90~95℃) ドリッパー フィルター ケトル(注ぎ口が細い物) 手順1・サーバーに氷をセットする 先にサーバーに氷を入れておきます。 抽出されたコーヒーが氷に落とし、急冷させることによって、より風味を残すことができます。 入れる氷の量は、だいたい出来高の3分の1程度。 ベースコーヒーでは急冷のアイスコーヒー1杯分として、コーヒー20gに氷を75g。2杯分として、コーヒー30gに氷を150g使用しています。 手順2・フィルターと豆をセットする ここからは、ほとんどホットコーヒー抽出と同じです。 フィルターのつなぎ目を折ってセットし、コーヒー粉を入れ表面をならします。 手順3・蒸らし アイスコーヒーの時もホットコーヒー同様に、お湯を少量注ぎ30〜60秒蒸らします。...

どう飲めばいい?エスプレッソ
エスプレッソと聞いて皆さんは何を思い浮かべますか? 苦い?濃い?小っちゃい? 昔に比べればだいぶ浸透してきたエスプレッソですが、いまだによくわからないという方は多いのではないかと思います。 今回は奥深いそんなエスプレッソの世界をご紹介します! そもそもエスプレッソとは? エスプレッソとは、機械を使ってコーヒー粉に圧力をかけて短時間で抽出したコーヒーのことです。 エスプレッソはイタリア語で「特急」という意味で、元は社員のコーヒーブレイクの時間を短くするために生まれたという説もあります。 エスプレッソは約100年前にイタリアのバールで出されるようになり、その後ヨーロッパに広まって行きました。 イタリアでは、エスプレッソは出勤前やちょっとした休憩にクイッと飲まれていて、コーヒー=エスプレッソという認識が一般的だそうです。 美味しいエスプレッソとは? 良いエスプレッソは総じて、滑らかな口当たりと香り高い後味が長く続くもの。 淹れたてのエスプレッソが三層に分かれていることが理想とされていて、上から「クレマ」、「ボディ」、「ハート」と呼ばれています。この三層は淹れた瞬間から崩れていくので早めに飲むのが一般的です。 特に一番上のクレマがきめ細やかで持続性があるほどいいと言われています。 また、コーヒーそのままの味わいをよく表していたり、奥底に甘みがあるのも良いエスプレッソの特徴です。 エスプレッソのおいしい飲み方いろいろ エスプレッソは知っているけど、飲み方がよくわからないという方は多いのではないのでしょう。 どうやって飲むのが正しいの?何か混ぜるべき? いろいろな疑問があると思いますが、個人的な見解として一番重要なのは... 自分がおいしいと思えばそれでいい!です でもせっかくなのでここでは、エスプレッソのメジャーな飲み方を紹介します! イタリアの定番、砂糖を入れて イタリアではエスプレッソに砂糖を入れて飲むのが定番で、苦さと甘さを楽しめるおいしい方法です。 飲み方は簡単! 1.エスプレッソにお砂糖をスプーン1~3杯入れる 2.かるく混ぜる (注: 混ぜすぎると風味が飛んでいってしまう為ほんの少しで大丈夫です!) 3.風味が飛んでしまう前に飲み切る 4.カップのそこに残ったお砂糖をスプーンですくって食べる 最後のお砂糖が、エスプレッソを飲んだ後の口にとってもマッチするのでちょっとしたお楽しみです! 飲みやすく、カフェラテ もしかしたら、エスプレッソよりも知名度の高いカフェラテですが、こちらもれっきとしたエスプレッソの飲み方の一つです。...
どう飲めばいい?エスプレッソ
エスプレッソと聞いて皆さんは何を思い浮かべますか? 苦い?濃い?小っちゃい? 昔に比べればだいぶ浸透してきたエスプレッソですが、いまだによくわからないという方は多いのではないかと思います。 今回は奥深いそんなエスプレッソの世界をご紹介します! そもそもエスプレッソとは? エスプレッソとは、機械を使ってコーヒー粉に圧力をかけて短時間で抽出したコーヒーのことです。 エスプレッソはイタリア語で「特急」という意味で、元は社員のコーヒーブレイクの時間を短くするために生まれたという説もあります。 エスプレッソは約100年前にイタリアのバールで出されるようになり、その後ヨーロッパに広まって行きました。 イタリアでは、エスプレッソは出勤前やちょっとした休憩にクイッと飲まれていて、コーヒー=エスプレッソという認識が一般的だそうです。 美味しいエスプレッソとは? 良いエスプレッソは総じて、滑らかな口当たりと香り高い後味が長く続くもの。 淹れたてのエスプレッソが三層に分かれていることが理想とされていて、上から「クレマ」、「ボディ」、「ハート」と呼ばれています。この三層は淹れた瞬間から崩れていくので早めに飲むのが一般的です。 特に一番上のクレマがきめ細やかで持続性があるほどいいと言われています。 また、コーヒーそのままの味わいをよく表していたり、奥底に甘みがあるのも良いエスプレッソの特徴です。 エスプレッソのおいしい飲み方いろいろ エスプレッソは知っているけど、飲み方がよくわからないという方は多いのではないのでしょう。 どうやって飲むのが正しいの?何か混ぜるべき? いろいろな疑問があると思いますが、個人的な見解として一番重要なのは... 自分がおいしいと思えばそれでいい!です でもせっかくなのでここでは、エスプレッソのメジャーな飲み方を紹介します! イタリアの定番、砂糖を入れて イタリアではエスプレッソに砂糖を入れて飲むのが定番で、苦さと甘さを楽しめるおいしい方法です。 飲み方は簡単! 1.エスプレッソにお砂糖をスプーン1~3杯入れる 2.かるく混ぜる (注: 混ぜすぎると風味が飛んでいってしまう為ほんの少しで大丈夫です!) 3.風味が飛んでしまう前に飲み切る 4.カップのそこに残ったお砂糖をスプーンですくって食べる 最後のお砂糖が、エスプレッソを飲んだ後の口にとってもマッチするのでちょっとしたお楽しみです! 飲みやすく、カフェラテ もしかしたら、エスプレッソよりも知名度の高いカフェラテですが、こちらもれっきとしたエスプレッソの飲み方の一つです。...

カフェの歴史
カフェという、人々がコーヒーを主とするドリンクや食事を楽しみながら、思い思いの時間を過ごすちょっと特別な空間に、今日も誰かが足を運んでいます。 ベースコーヒーでも様々なお客様が、皆さま違った時間を過ごしています。 カフェ巡りを趣味としている方も少なくなく、今ではあらゆるところにある「カフェ」ですが、コーヒーを楽しむカフェという形態のお店は一体いつからあったのか?昔の人々はカフェをどのように使っていたのか? 今回は、今では当たり前にある「カフェ」の歴史を紐解いていきます。 カフェの原点、カフェハネ 前回のコラムで、コーヒーの原型となるカフアがイスラム教徒によって飲まれていたという話をしましたが、ここでは少しその続きを見てみましょう。 前回のコラムはこちら→ コーヒー飲用の歴史 スーフィーから人々へ イエメンのスーフィー達が儀式に用いていた「コーヒーのカフア」は長期間の保存や輸送に向いていたこともあり、次第にイエメン全土へと知れ渡っていきました。 15世紀の終わりには、イスラムの聖地であるメッカやメディナの居住区でもカフアが飲まれるようになりその広がりは勢いを増すばかり。 学者や学生といった職業の人の中にはカフアをスーフィー同様、眠気覚ましとして愛飲していた人もいたそうですが、中には単に嗜好品としてカフアを楽しむ人々もいたそうです。 そんなカフアを単に楽しむ人々のためにあるものが生まれます。そうカフアの専門店、現代でいうところの「カフェ」です。 カフェハネ 16世紀になって間もなく、コーヒーを楽しむ専門店「カフェハネ」がメッカで生まれたと言われています。 アルコールが禁止されているイスラム教の世界において、カフェハネは多くの人が集まりコーヒーを楽しみながら語らう、酔っぱらうことのないバーのような特別な交流の場になりました。 ただ一つカフェハネにはルールが...それは「女人禁制」 男性しか立ち入ることを許されていませんでした。このルールは、後に紹介する、カフェハネをもとにしたイギリスのコーヒーハウスにも受け継がれています。 ヨーロッパのコーヒーハウス 17世紀に入るとヨーロッパにもコーヒーが伝わります。当初は貴族の飲み物でしたが、あるものが登場すると、次第に市民階級にも広がっていきます。 そのあるものというのが後に社会に大きな影響を与えることになる交流の場、コーヒーハウスです。 コーヒーハウスの始まり コーヒーハウスとは、コーヒーを片手に、身近の小さなことから国の政治に関することを語り合う市民の交流の場で、まさにヨーロッパ版のカフェハネと言えるもので、ヨーロッパで最初にコーヒーハウスが開かれたのはイギリスであったと言われています。 17世紀には、コーヒーはさまざまなルートでヨーロッパに持ち込まれ、その飲み物に人々が魅了され、コーヒーを出す専門店、コーヒーハウスが生まれるまでそれほど時間はかかりませんでした。 その拡大はすさまじく、17世紀の終わりに生まれたコーヒーハウスは数年で、3000軒以上に増え、ロンドンのあらゆるところに立ち並んでいたそうです。 また、ほぼ同時期に他の国、フランスやオーストリアなどでもコーヒーハウスが生まれ、人々がコーヒーとおしゃべりを楽しみ、時には歴史が動くきっかけになったりもしました。 時代の動きはコーヒーハウスから 貴賤貧富関係なく多くの人々が集い、コーヒーを片手に語り合い教養を高める場として人気を博したコーヒーハウスは、ただコーヒーをたしなむ場だけにはとどまりませんでした。 イギリスでは、コーヒーハウスは株式取引場所や保険取引所、またイギリスの二大政党のホイッグ党やトーリ党の集会拠点などに用いられ、ロンドンの政治や経済などの発展の場となりました。 フランスでは、ヴォルテールやルソーの『百科全書』の編集の場として用いられました。またフランス王政に不満を持つ革命家の集会所もコーヒーハウスで、フランス革命はコーヒーハウスから始まったとも言われています。 日本のカフェ...
カフェの歴史
カフェという、人々がコーヒーを主とするドリンクや食事を楽しみながら、思い思いの時間を過ごすちょっと特別な空間に、今日も誰かが足を運んでいます。 ベースコーヒーでも様々なお客様が、皆さま違った時間を過ごしています。 カフェ巡りを趣味としている方も少なくなく、今ではあらゆるところにある「カフェ」ですが、コーヒーを楽しむカフェという形態のお店は一体いつからあったのか?昔の人々はカフェをどのように使っていたのか? 今回は、今では当たり前にある「カフェ」の歴史を紐解いていきます。 カフェの原点、カフェハネ 前回のコラムで、コーヒーの原型となるカフアがイスラム教徒によって飲まれていたという話をしましたが、ここでは少しその続きを見てみましょう。 前回のコラムはこちら→ コーヒー飲用の歴史 スーフィーから人々へ イエメンのスーフィー達が儀式に用いていた「コーヒーのカフア」は長期間の保存や輸送に向いていたこともあり、次第にイエメン全土へと知れ渡っていきました。 15世紀の終わりには、イスラムの聖地であるメッカやメディナの居住区でもカフアが飲まれるようになりその広がりは勢いを増すばかり。 学者や学生といった職業の人の中にはカフアをスーフィー同様、眠気覚ましとして愛飲していた人もいたそうですが、中には単に嗜好品としてカフアを楽しむ人々もいたそうです。 そんなカフアを単に楽しむ人々のためにあるものが生まれます。そうカフアの専門店、現代でいうところの「カフェ」です。 カフェハネ 16世紀になって間もなく、コーヒーを楽しむ専門店「カフェハネ」がメッカで生まれたと言われています。 アルコールが禁止されているイスラム教の世界において、カフェハネは多くの人が集まりコーヒーを楽しみながら語らう、酔っぱらうことのないバーのような特別な交流の場になりました。 ただ一つカフェハネにはルールが...それは「女人禁制」 男性しか立ち入ることを許されていませんでした。このルールは、後に紹介する、カフェハネをもとにしたイギリスのコーヒーハウスにも受け継がれています。 ヨーロッパのコーヒーハウス 17世紀に入るとヨーロッパにもコーヒーが伝わります。当初は貴族の飲み物でしたが、あるものが登場すると、次第に市民階級にも広がっていきます。 そのあるものというのが後に社会に大きな影響を与えることになる交流の場、コーヒーハウスです。 コーヒーハウスの始まり コーヒーハウスとは、コーヒーを片手に、身近の小さなことから国の政治に関することを語り合う市民の交流の場で、まさにヨーロッパ版のカフェハネと言えるもので、ヨーロッパで最初にコーヒーハウスが開かれたのはイギリスであったと言われています。 17世紀には、コーヒーはさまざまなルートでヨーロッパに持ち込まれ、その飲み物に人々が魅了され、コーヒーを出す専門店、コーヒーハウスが生まれるまでそれほど時間はかかりませんでした。 その拡大はすさまじく、17世紀の終わりに生まれたコーヒーハウスは数年で、3000軒以上に増え、ロンドンのあらゆるところに立ち並んでいたそうです。 また、ほぼ同時期に他の国、フランスやオーストリアなどでもコーヒーハウスが生まれ、人々がコーヒーとおしゃべりを楽しみ、時には歴史が動くきっかけになったりもしました。 時代の動きはコーヒーハウスから 貴賤貧富関係なく多くの人々が集い、コーヒーを片手に語り合い教養を高める場として人気を博したコーヒーハウスは、ただコーヒーをたしなむ場だけにはとどまりませんでした。 イギリスでは、コーヒーハウスは株式取引場所や保険取引所、またイギリスの二大政党のホイッグ党やトーリ党の集会拠点などに用いられ、ロンドンの政治や経済などの発展の場となりました。 フランスでは、ヴォルテールやルソーの『百科全書』の編集の場として用いられました。またフランス王政に不満を持つ革命家の集会所もコーヒーハウスで、フランス革命はコーヒーハウスから始まったとも言われています。 日本のカフェ...

コーヒー飲用の歴史
前回のコラムで、コーヒー栽培の伝播にまつわるエピソードを少し紹介しましたが、今回は「飲用」に注目していきたいと思います! 「盗み出しによって広まったコーヒー栽培」という歴史からわかるように、そうまでして自国で栽培したいと思わせるほどの魅力と人気がコーヒーには昔からあったのです。 現在、様々な方法や場で飲まれることのあるコーヒーですが、歴史の中でもコーヒーは様々な場面で用いられてきました。 今回は、コーヒーの飲用方に注目してみましょう! 飲むだけじゃなかった!エチオピアでの使われ方 コーヒーの原産地と言われるエチオピアでは、昔から様々な方法でコーヒーを用いていました。 ここでは、その深い歴史を持つコーヒーの用いられ方を紹介します! お茶会よろしく、コーヒーセレモニー コーヒーセレモニーとはエチオピアに伝わるコーヒーをふるまう儀式の一つで現在も行われています。 エチオピアでは「カリオモン」と呼ばれていて、「カリ」はコーヒーノキの葉っぱのことで「オモン」は「一緒に」と言う意味で、来客をおもてなしするときに行われるものです。日本の茶道みたいなものです。 茶道のように作法や手順が決まっていてさまざまな道具を使いながら、三回に分けてコーヒーを楽しみます。 カリオモンは女性が執り行うものとされていて、エチオピアの女性は皆この作法を覚えるそうです。 戦のお供、携帯食料 エチオピアではコーヒーは飲むだけではありませんでした。なんと民族の間でコーヒーはとある目的のために食料として使われていたのです。 その目的とは、疲れを知らずに戦い続けるため、つまり戦争のためにでした。 コーヒーの実をすりつぶし、バターなんかと混ぜてボール状にし携帯食として用いてたとされています。 コーヒーの興奮作用や疲労回復作用が民族間の戦争時に役立ったのですね。 イスラム教徒とコーヒー コーヒーが人々に知られていく過程において、イスラム教徒の活躍はとても重要でした。 ここでは、イスラム教徒とコーヒーの関係を見ていきましょう。 コーヒーの原型、「カフア」 現在飲まれている「コーヒー」の原型とも言える「カフア」と呼ばれる飲み物が14世紀ごろにイスラム教徒の一派、スーフィーによって発明されました。 もともとカフアは、さまざまな飲み物に共通して使われていた名前で、その中でも覚醒作用がある「カート」と呼ばれる葉っぱで作ったお茶が有名でした。 しかしカートは保存が利かなかったという欠点があり、その問題を解決したのが、似た作用があり、保存が利くコーヒーを使ったカフアだったのです。 二種類のカフア コーヒーを使ったカフアには二種類ありました。 キシルのカフア ブンのカフア です。 何が違うかと言うと、キシルのカフアは乾いたコーヒーの果肉部分だけを使い煮出すカフアのことで、ブンのカフアは果肉と豆を丸ごと煎ってから煮出すカフアのことです。...
コーヒー飲用の歴史
前回のコラムで、コーヒー栽培の伝播にまつわるエピソードを少し紹介しましたが、今回は「飲用」に注目していきたいと思います! 「盗み出しによって広まったコーヒー栽培」という歴史からわかるように、そうまでして自国で栽培したいと思わせるほどの魅力と人気がコーヒーには昔からあったのです。 現在、様々な方法や場で飲まれることのあるコーヒーですが、歴史の中でもコーヒーは様々な場面で用いられてきました。 今回は、コーヒーの飲用方に注目してみましょう! 飲むだけじゃなかった!エチオピアでの使われ方 コーヒーの原産地と言われるエチオピアでは、昔から様々な方法でコーヒーを用いていました。 ここでは、その深い歴史を持つコーヒーの用いられ方を紹介します! お茶会よろしく、コーヒーセレモニー コーヒーセレモニーとはエチオピアに伝わるコーヒーをふるまう儀式の一つで現在も行われています。 エチオピアでは「カリオモン」と呼ばれていて、「カリ」はコーヒーノキの葉っぱのことで「オモン」は「一緒に」と言う意味で、来客をおもてなしするときに行われるものです。日本の茶道みたいなものです。 茶道のように作法や手順が決まっていてさまざまな道具を使いながら、三回に分けてコーヒーを楽しみます。 カリオモンは女性が執り行うものとされていて、エチオピアの女性は皆この作法を覚えるそうです。 戦のお供、携帯食料 エチオピアではコーヒーは飲むだけではありませんでした。なんと民族の間でコーヒーはとある目的のために食料として使われていたのです。 その目的とは、疲れを知らずに戦い続けるため、つまり戦争のためにでした。 コーヒーの実をすりつぶし、バターなんかと混ぜてボール状にし携帯食として用いてたとされています。 コーヒーの興奮作用や疲労回復作用が民族間の戦争時に役立ったのですね。 イスラム教徒とコーヒー コーヒーが人々に知られていく過程において、イスラム教徒の活躍はとても重要でした。 ここでは、イスラム教徒とコーヒーの関係を見ていきましょう。 コーヒーの原型、「カフア」 現在飲まれている「コーヒー」の原型とも言える「カフア」と呼ばれる飲み物が14世紀ごろにイスラム教徒の一派、スーフィーによって発明されました。 もともとカフアは、さまざまな飲み物に共通して使われていた名前で、その中でも覚醒作用がある「カート」と呼ばれる葉っぱで作ったお茶が有名でした。 しかしカートは保存が利かなかったという欠点があり、その問題を解決したのが、似た作用があり、保存が利くコーヒーを使ったカフアだったのです。 二種類のカフア コーヒーを使ったカフアには二種類ありました。 キシルのカフア ブンのカフア です。 何が違うかと言うと、キシルのカフアは乾いたコーヒーの果肉部分だけを使い煮出すカフアのことで、ブンのカフアは果肉と豆を丸ごと煎ってから煮出すカフアのことです。...

コーヒー栽培の歴史
今ではあらゆるところで味わうことができ、その奥深さから多くの人を魅了するコーヒー。 その原料となる作物は、「盗み」や「騙し」といったあらゆる秘密に包まれた物語を経て、アフリカや中南米、アジアにまで栽培を広げていったというドラマチックな歴史があります。 今回は、この興味深きコーヒー栽培の歴史の世界を紹介したいと思います。 コーヒーの起源 人類が、コーヒーの原料を生み出す植物「コーヒーノキ」といつ出会ったのか? この謎は未だに明らかになっていません。 人類がコーヒーを飲み始めたのは15世紀ごろですが、コーヒーノキと人類の出会いがいつであったかを明言する文献や証拠はなく、わかりません。 しかしながら人類とコーヒーとの出会いには有名な伝承が二つあります。 まずはその二つを紹介していきましょう! ヤギ飼いのカルディ伝説 二つの中でも特に有名なのは「ヤギ飼いのカルディ伝説」です。 某有名、コーヒー&輸入食品会社の社名はここからきています。 内容はこんなもの... ヤギ飼いのカルディという少年が、自分のヤギを山に連れて行ったとき、ヤギが茂みにある赤い木の実を食べ興奮し騒いでいるのを見て、自分も食べてみたところ疲れが吹っ飛び元気になった。 それをたまたま目撃した修道僧がその効果に目をつけその後人々に広めていった。 という話です。 修道僧の登場の仕方は「たまたま通りかかった」、「噂を聞きつけてきた」などさまざまあり、どれもどこかふんわりしてます。 シェーク・オマールの伝説 カルディの話よりは知られていないかもしれませんが、こちらもコーヒー発見にまつわるお話です。 無実の罪で街を追放されたシェーク・オマールという修行者が山の中をさまよっていた時、空腹に耐えきれず、木になっていた赤い木の実を食べてみたところ疲労が回復した。 この話には、「その後、彼は、実を使ったスープで人々を病から救った」や「小鳥が彼をコーヒーノキまで導いた」などさまざまなバージョンがあり、これもまた民間伝承が故の曖昧さがあります。 これら二つは、コーヒー発見伝説として有名なものですが、やはりあくまで伝説であって、信憑性に欠けるところがあるのが事実です。しかし... 山の中で発見した 赤い木の実 興奮作用や疲労回復の効果があった という三点はコーヒーに通じるものがあり、全くのフィクションだとは言い切れないのが面白いところです。 騙し騙され、盗み盗まれ、コーヒーの伝播 コーヒーは、15世紀ごろから、イスラム教徒の一部の者たちスーフィーが儀式の際に飲んでいたことをきっかけに注目され、広く知られるようになりました。 その人気に目を付けたオスマン帝国が、イエメンで栽培を行ったのが本格的なコーヒー栽培の始まりです。 コーヒーは最初、門外不出の作物として発芽できる状態での持ち出しを禁止していましたが、次第に他国でも栽培が行われるようになりました。...
コーヒー栽培の歴史
今ではあらゆるところで味わうことができ、その奥深さから多くの人を魅了するコーヒー。 その原料となる作物は、「盗み」や「騙し」といったあらゆる秘密に包まれた物語を経て、アフリカや中南米、アジアにまで栽培を広げていったというドラマチックな歴史があります。 今回は、この興味深きコーヒー栽培の歴史の世界を紹介したいと思います。 コーヒーの起源 人類が、コーヒーの原料を生み出す植物「コーヒーノキ」といつ出会ったのか? この謎は未だに明らかになっていません。 人類がコーヒーを飲み始めたのは15世紀ごろですが、コーヒーノキと人類の出会いがいつであったかを明言する文献や証拠はなく、わかりません。 しかしながら人類とコーヒーとの出会いには有名な伝承が二つあります。 まずはその二つを紹介していきましょう! ヤギ飼いのカルディ伝説 二つの中でも特に有名なのは「ヤギ飼いのカルディ伝説」です。 某有名、コーヒー&輸入食品会社の社名はここからきています。 内容はこんなもの... ヤギ飼いのカルディという少年が、自分のヤギを山に連れて行ったとき、ヤギが茂みにある赤い木の実を食べ興奮し騒いでいるのを見て、自分も食べてみたところ疲れが吹っ飛び元気になった。 それをたまたま目撃した修道僧がその効果に目をつけその後人々に広めていった。 という話です。 修道僧の登場の仕方は「たまたま通りかかった」、「噂を聞きつけてきた」などさまざまあり、どれもどこかふんわりしてます。 シェーク・オマールの伝説 カルディの話よりは知られていないかもしれませんが、こちらもコーヒー発見にまつわるお話です。 無実の罪で街を追放されたシェーク・オマールという修行者が山の中をさまよっていた時、空腹に耐えきれず、木になっていた赤い木の実を食べてみたところ疲労が回復した。 この話には、「その後、彼は、実を使ったスープで人々を病から救った」や「小鳥が彼をコーヒーノキまで導いた」などさまざまなバージョンがあり、これもまた民間伝承が故の曖昧さがあります。 これら二つは、コーヒー発見伝説として有名なものですが、やはりあくまで伝説であって、信憑性に欠けるところがあるのが事実です。しかし... 山の中で発見した 赤い木の実 興奮作用や疲労回復の効果があった という三点はコーヒーに通じるものがあり、全くのフィクションだとは言い切れないのが面白いところです。 騙し騙され、盗み盗まれ、コーヒーの伝播 コーヒーは、15世紀ごろから、イスラム教徒の一部の者たちスーフィーが儀式の際に飲んでいたことをきっかけに注目され、広く知られるようになりました。 その人気に目を付けたオスマン帝国が、イエメンで栽培を行ったのが本格的なコーヒー栽培の始まりです。 コーヒーは最初、門外不出の作物として発芽できる状態での持ち出しを禁止していましたが、次第に他国でも栽培が行われるようになりました。...