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収穫後どうなる?コーヒーチェリーのその後
コーヒーはコーヒーノキという植物の種のことだとご存知の方は多いかと思います… では、コーヒーの果肉の部分がどうなるかはご存知ですか? 今回は意外と忘れられがちなコーヒーの果肉、コーヒーチェリーが収穫後どうなるのかに関してご紹介します! コーヒーチェリーとは? そもそもコーヒーチェリーとはコーヒーノキという植物にになる、小さな実のことです。 熟すと品種によっては黄色になるものもありますが、大半が綺麗な真っ赤になることからコーヒーチェリーと呼ばれます。 コーヒーの実を構成するのは簡単に分けて6つの部分。 種子 「コーヒー豆」部分で果実の20%を占めます、通常1つの果実に2つの種子が入っています。 シルバースキン 種子を包む薄皮。 内果皮 種子を保護する少し固めの皮。 粘液 甘いはちみつのような物質で豆全体を包んでいます。 果肉 水分と糖分を多く含む果肉。 果皮 厚みのある外皮。歯でかみ切れる程度の硬さです。 コーヒーが作られる際、以前のコラム「ウォッシュド?ナチュラル?コーヒーの精製処理とは?」でもご紹介したようにコーヒーチェリーは取り除かれ。最終的には種子の部分のみになります。 果肉部分も甘酸っぱいサクランボのような味がして美味しいのですが、可食部が少ないことと、メインは豆部分ということからコーヒーをフルーツとして取引することはまずありません。 取り除かれた、果肉や果皮部分はスペイン語で籾を意味する、カスカラ(cáscara)と呼ばれ捨てられることも多いです。 カスカラ活用法 精製段階で大量に出るカスカラ部分を捨ててしまうのはもったいないとして、精製後も活用されることがあります。 では取り除かれたコーヒーチェリーがその後どうなるのか? ここではその例をご紹介します! 次につながるカスカラ カスカラの主な利用方法として、肥料や堆肥として活用するものがあり、この方法が一番メジャーな物です。 精製段階で取り除かれた果皮や果肉は、しばらく放置された後に木の周りに撒かれたり、土や動物の糞と混ぜて発酵させたりして、肥料や堆肥として使われます。 スタッフが以前訪れたことのあるコスタリカの協同組合の精製工場では、処理されたカスカラが山積みに放置されていて、それを生産者が大きなタンクに入れて持ち帰る姿を目にしました。...
収穫後どうなる?コーヒーチェリーのその後
コーヒーはコーヒーノキという植物の種のことだとご存知の方は多いかと思います… では、コーヒーの果肉の部分がどうなるかはご存知ですか? 今回は意外と忘れられがちなコーヒーの果肉、コーヒーチェリーが収穫後どうなるのかに関してご紹介します! コーヒーチェリーとは? そもそもコーヒーチェリーとはコーヒーノキという植物にになる、小さな実のことです。 熟すと品種によっては黄色になるものもありますが、大半が綺麗な真っ赤になることからコーヒーチェリーと呼ばれます。 コーヒーの実を構成するのは簡単に分けて6つの部分。 種子 「コーヒー豆」部分で果実の20%を占めます、通常1つの果実に2つの種子が入っています。 シルバースキン 種子を包む薄皮。 内果皮 種子を保護する少し固めの皮。 粘液 甘いはちみつのような物質で豆全体を包んでいます。 果肉 水分と糖分を多く含む果肉。 果皮 厚みのある外皮。歯でかみ切れる程度の硬さです。 コーヒーが作られる際、以前のコラム「ウォッシュド?ナチュラル?コーヒーの精製処理とは?」でもご紹介したようにコーヒーチェリーは取り除かれ。最終的には種子の部分のみになります。 果肉部分も甘酸っぱいサクランボのような味がして美味しいのですが、可食部が少ないことと、メインは豆部分ということからコーヒーをフルーツとして取引することはまずありません。 取り除かれた、果肉や果皮部分はスペイン語で籾を意味する、カスカラ(cáscara)と呼ばれ捨てられることも多いです。 カスカラ活用法 精製段階で大量に出るカスカラ部分を捨ててしまうのはもったいないとして、精製後も活用されることがあります。 では取り除かれたコーヒーチェリーがその後どうなるのか? ここではその例をご紹介します! 次につながるカスカラ カスカラの主な利用方法として、肥料や堆肥として活用するものがあり、この方法が一番メジャーな物です。 精製段階で取り除かれた果皮や果肉は、しばらく放置された後に木の周りに撒かれたり、土や動物の糞と混ぜて発酵させたりして、肥料や堆肥として使われます。 スタッフが以前訪れたことのあるコスタリカの協同組合の精製工場では、処理されたカスカラが山積みに放置されていて、それを生産者が大きなタンクに入れて持ち帰る姿を目にしました。...

まーちんのコーヒーと映画:『コーヒーが冷めないうちに』のコーヒーと温度
映画好きは母の影響。スタッフのまーちんです。 映画に出てくるコーヒーに注目するコラムの第4弾です! 今回ご紹介するのは2018年に公開された邦画、『コーヒーが冷めないうちに』... タイトルからもお分かり頂けるように、この映画ではコーヒーがたくさん出てきます! コーヒーが物語の中心とも言えるこの作品においてコーヒーがどのように登場するのかを見ていきましょう。 シリーズ第3弾の『ヘイトフル・エイト』に関してのコラムはこちら→ヘイトフル・エイトの温かいコーヒー 『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじ 『コーヒーが冷めないうちに』は、川口俊和さんによる戯曲と小説を原作とし、テレビドラマ演出家の塚原あゆ子さんの映画監督デビュー作で2018年公開のヒューマンドラマ・ファンタジー映画です。 そんな『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじは... 舞台はとある街にある小さな喫茶店「フニクリフリクラ」。 そこはある都市伝説が...それは店内の”ある席”に座れば望んだとおりの過去に戻れるというもの。 そこには... 「過去に戻っても、一度起こってしまったことは何があっても変えられない。」 「過去に戻っても、喫茶店から出ることはできない。」 そして、 「過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。冷めるまでに飲み干さなければ過去にとらわれ戻れなくなってしまう。」 といったルールがあった。 誰もが一度は経験のある「もしも、あの時に戻ることができたら……」という「後悔」。 幼馴染と喧嘩別れをしてしまった若い女性、若年性アルツハイマーに侵された妻が何を伝えようとしていたのかを知りたい夫、他界した妹にもう一度会いたい常連客... 様々な「後悔」を抱えた客たちが、今日も店を訪れ”ある席”に座るのであった。 ...といったもの。 ゆっくりと観れて温かい気持ちになれる映画です。ゆったりとした午後なんかに観るといいかもしれません。 ちなみに私は松重豊さんと薬師丸ひろ子さんの演技に号泣しました。 『コーヒーが冷めないうちに』でのコーヒー この作品においてコーヒーは物語の主軸と言えます。 有村架純さん演じる主人公の時田数がコーヒーを淹れることで、席に座った者は過去に戻ることができ、そのコーヒーを飲み切るかどうかで現在に帰ってこられるかが決まるのです。 だからこそ、作品内のコーヒーが淹れられるいくつかのシーンでは、コーヒー抽出という作業にフォーカスされていて、音はBGMと湯が注がれる音のみ、映像も少しだけスローになり琥珀色の液体がカップに注がれる姿を映し出しています。ゆっくりと立ち上る湯気と心地よいコーヒーが落ちていく音が、コーヒー欲を掻き立てます。 有村架純さんのまっすぐと立ち、ケトルを持つ手にもう片方の手を添えてコーヒーを淹れるきれいな姿勢も印象的で、観終わった後はキリッとした姿勢でコーヒーを淹れたくなります。 ちなみにフニクリフリクラで使われているドリッパーはウェーブドリッパーと呼ばれるもので、平底でリブがない従来のものとは少し違う形のものです。リブがない代わりに波打っているフィルターが空気の抜け道を作ることで役目を果たし、短い時間でコーヒーを抽出することが可能です。 コーヒーが冷めるとどうなるか?...
まーちんのコーヒーと映画:『コーヒーが冷めないうちに』のコーヒーと温度
映画好きは母の影響。スタッフのまーちんです。 映画に出てくるコーヒーに注目するコラムの第4弾です! 今回ご紹介するのは2018年に公開された邦画、『コーヒーが冷めないうちに』... タイトルからもお分かり頂けるように、この映画ではコーヒーがたくさん出てきます! コーヒーが物語の中心とも言えるこの作品においてコーヒーがどのように登場するのかを見ていきましょう。 シリーズ第3弾の『ヘイトフル・エイト』に関してのコラムはこちら→ヘイトフル・エイトの温かいコーヒー 『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじ 『コーヒーが冷めないうちに』は、川口俊和さんによる戯曲と小説を原作とし、テレビドラマ演出家の塚原あゆ子さんの映画監督デビュー作で2018年公開のヒューマンドラマ・ファンタジー映画です。 そんな『コーヒーが冷めないうちに』のあらすじは... 舞台はとある街にある小さな喫茶店「フニクリフリクラ」。 そこはある都市伝説が...それは店内の”ある席”に座れば望んだとおりの過去に戻れるというもの。 そこには... 「過去に戻っても、一度起こってしまったことは何があっても変えられない。」 「過去に戻っても、喫茶店から出ることはできない。」 そして、 「過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。冷めるまでに飲み干さなければ過去にとらわれ戻れなくなってしまう。」 といったルールがあった。 誰もが一度は経験のある「もしも、あの時に戻ることができたら……」という「後悔」。 幼馴染と喧嘩別れをしてしまった若い女性、若年性アルツハイマーに侵された妻が何を伝えようとしていたのかを知りたい夫、他界した妹にもう一度会いたい常連客... 様々な「後悔」を抱えた客たちが、今日も店を訪れ”ある席”に座るのであった。 ...といったもの。 ゆっくりと観れて温かい気持ちになれる映画です。ゆったりとした午後なんかに観るといいかもしれません。 ちなみに私は松重豊さんと薬師丸ひろ子さんの演技に号泣しました。 『コーヒーが冷めないうちに』でのコーヒー この作品においてコーヒーは物語の主軸と言えます。 有村架純さん演じる主人公の時田数がコーヒーを淹れることで、席に座った者は過去に戻ることができ、そのコーヒーを飲み切るかどうかで現在に帰ってこられるかが決まるのです。 だからこそ、作品内のコーヒーが淹れられるいくつかのシーンでは、コーヒー抽出という作業にフォーカスされていて、音はBGMと湯が注がれる音のみ、映像も少しだけスローになり琥珀色の液体がカップに注がれる姿を映し出しています。ゆっくりと立ち上る湯気と心地よいコーヒーが落ちていく音が、コーヒー欲を掻き立てます。 有村架純さんのまっすぐと立ち、ケトルを持つ手にもう片方の手を添えてコーヒーを淹れるきれいな姿勢も印象的で、観終わった後はキリッとした姿勢でコーヒーを淹れたくなります。 ちなみにフニクリフリクラで使われているドリッパーはウェーブドリッパーと呼ばれるもので、平底でリブがない従来のものとは少し違う形のものです。リブがない代わりに波打っているフィルターが空気の抜け道を作ることで役目を果たし、短い時間でコーヒーを抽出することが可能です。 コーヒーが冷めるとどうなるか?...

すぐに飲んじゃだめ?焙煎後少し置くといいと言われる理由とは
以前お店でこんな質問を受けました... 「焙煎後は少し置いてから飲んだ方がいいと耳にしたけれど本当なの?」 新鮮=良いという常識が崩れるこの「焙煎後に少し置いておく」という考えには疑問を持つ方が多いと思います。 野菜や果物の様に、出来立てで新鮮な時が一番いいように思われるかもしれませんが、コーヒーの世界では焙煎後、ひと晩ないし2日間くらい置いた豆の方がいいという考えがあります。 この考えに置いて重要になってくるのがコーヒーの鮮度を語る時などに度々登場する「ガス」です。 今回は、原因となるコーヒー豆から出るガスに関して、そしてなぜ焙煎後少し放置したコーヒーの方がいいと言われているかをご説明いたします! ガスの正体は? コーヒー好きの方は、豆を保存していた密閉袋がパンパンになっていたり、淹れる時にドーム状にぷくぷくと泡が出てくるところを見たことがあると思います。 それらの原因は豆からガスが放出されているからです! このガスの正体は焙煎豆の中閉じ込められていた二酸化炭素、つまり出てきていたのは炭酸ガスということになります。 実はガスは生豆の時からあるわけではありません、焙煎という工程を経て豆内で化学変化が起こり、初めてガスが発生するようになるのです。 このガスはコーヒーの鮮度を見る上で一つの目安になります。 ガスは時間とともにゆっくりと空気中に放出されていき、この時香りも同時に放出されてしまうため、ガスがたくさん抜けたコーヒーはその分香りも失われているということになります。 時間が経った鮮度が悪いコーヒーは、淹れても泡の出が悪かったり、きれいに膨らまなかったりしますが、これらは時間の経過とともにガスがほとんど放出されてしまっているからです。 つまりはガスがたくさん含まれているということは、新鮮で香り高いコーヒーの証拠ということです! 焙煎後は置いた方がいいと言われる理由 コーヒー業界には「コーヒー豆は焙煎後しばらくおいて味を落ち着かせた方がいい」という考えがあります。 こう考えられているのにはいくつかの理由があり、その一つが「ガスの放出が抽出を妨げる」というものです。 焙煎直後の豆は大量にガスを含んでいるため、その豆をすぐに挽いて使うとお湯を注いだ瞬間に大きな泡が出てきてしまいます。 これ自体は悪いことではありません、新鮮故の自然なことなのですが、問題はガスがお湯と豆との接触を阻害してしまうということです。 コーヒー抽出とは豆の成分をお湯に触れさせ溶かし出す作業です。泡が間に入ることによってお湯が豆に触れにくくなってしまい、成分を溶かし出すことができなくなってしまう、このことによって少し薄めのコーヒーになってしまいがちです。 少し時間を置くことによってガスが抽出を阻害しなくなると、抽出が安定し落ち着いたコーヒーになるというのが、「焙煎後は少し時間を置いた方がいい」という考えなのです。 この話を聞くと焙煎後は必ず置いておく時間が必要かのように聞こえますが、焙煎直後のコーヒーは飲んではいけないということは決してありません。 焙煎直後だからこそ感じることができる味わいがあったり、淹れ方次第でしっかりとした味を出すことも可能です。 確かに落ち着いた味を楽しむというのも楽しみ方の一つですが、コーヒーの楽しみ方に正解はありません。焙煎直後から毎日飲んでコーヒーの味の変化を楽しむというのも素晴らしいと思います!
すぐに飲んじゃだめ?焙煎後少し置くといいと言われる理由とは
以前お店でこんな質問を受けました... 「焙煎後は少し置いてから飲んだ方がいいと耳にしたけれど本当なの?」 新鮮=良いという常識が崩れるこの「焙煎後に少し置いておく」という考えには疑問を持つ方が多いと思います。 野菜や果物の様に、出来立てで新鮮な時が一番いいように思われるかもしれませんが、コーヒーの世界では焙煎後、ひと晩ないし2日間くらい置いた豆の方がいいという考えがあります。 この考えに置いて重要になってくるのがコーヒーの鮮度を語る時などに度々登場する「ガス」です。 今回は、原因となるコーヒー豆から出るガスに関して、そしてなぜ焙煎後少し放置したコーヒーの方がいいと言われているかをご説明いたします! ガスの正体は? コーヒー好きの方は、豆を保存していた密閉袋がパンパンになっていたり、淹れる時にドーム状にぷくぷくと泡が出てくるところを見たことがあると思います。 それらの原因は豆からガスが放出されているからです! このガスの正体は焙煎豆の中閉じ込められていた二酸化炭素、つまり出てきていたのは炭酸ガスということになります。 実はガスは生豆の時からあるわけではありません、焙煎という工程を経て豆内で化学変化が起こり、初めてガスが発生するようになるのです。 このガスはコーヒーの鮮度を見る上で一つの目安になります。 ガスは時間とともにゆっくりと空気中に放出されていき、この時香りも同時に放出されてしまうため、ガスがたくさん抜けたコーヒーはその分香りも失われているということになります。 時間が経った鮮度が悪いコーヒーは、淹れても泡の出が悪かったり、きれいに膨らまなかったりしますが、これらは時間の経過とともにガスがほとんど放出されてしまっているからです。 つまりはガスがたくさん含まれているということは、新鮮で香り高いコーヒーの証拠ということです! 焙煎後は置いた方がいいと言われる理由 コーヒー業界には「コーヒー豆は焙煎後しばらくおいて味を落ち着かせた方がいい」という考えがあります。 こう考えられているのにはいくつかの理由があり、その一つが「ガスの放出が抽出を妨げる」というものです。 焙煎直後の豆は大量にガスを含んでいるため、その豆をすぐに挽いて使うとお湯を注いだ瞬間に大きな泡が出てきてしまいます。 これ自体は悪いことではありません、新鮮故の自然なことなのですが、問題はガスがお湯と豆との接触を阻害してしまうということです。 コーヒー抽出とは豆の成分をお湯に触れさせ溶かし出す作業です。泡が間に入ることによってお湯が豆に触れにくくなってしまい、成分を溶かし出すことができなくなってしまう、このことによって少し薄めのコーヒーになってしまいがちです。 少し時間を置くことによってガスが抽出を阻害しなくなると、抽出が安定し落ち着いたコーヒーになるというのが、「焙煎後は少し時間を置いた方がいい」という考えなのです。 この話を聞くと焙煎後は必ず置いておく時間が必要かのように聞こえますが、焙煎直後のコーヒーは飲んではいけないということは決してありません。 焙煎直後だからこそ感じることができる味わいがあったり、淹れ方次第でしっかりとした味を出すことも可能です。 確かに落ち着いた味を楽しむというのも楽しみ方の一つですが、コーヒーの楽しみ方に正解はありません。焙煎直後から毎日飲んでコーヒーの味の変化を楽しむというのも素晴らしいと思います!

まーちんのコーヒーと映画:ヘイトフル・エイトの温かいコーヒー
思入れのあるコーヒー産地はコスタリカ、スタッフのまーちんです。 映画に出てくるコーヒーに注目するコラムの第3弾です! 『かもめ食堂』、『ベイビー・ドライバー』ときたこのシリーズ、次にフォーカスを当てるのは… クエンティン・タランティーノ監督作品『ヘイトフル・エイト』です! 雪山を舞台に繰り広げられるこの作品においてのコーヒーとは… シリーズ第2弾の『ベイビー・ドライバー』に関してのコラムはこちら→ベイビー・ドライバーから見るアメリカのコーヒー風景 『ヘイトフル・エイト』のあらすじ 『ヘイトフル・エイト』(原題:The Hateful Eight)は『パルプフィクション』などで有名なクエンティン・タランティーノ監督の第8作目の長編作品で2015年(日本では2016年)公開のミステリー西部劇です。 そんな『ヘイトフル・エイト』のあらすじは… 舞台は南北戦争終結から数年後の冬、猛吹雪が迫るワイオミング州の山中。 サミュエル・L・ジャクソン演じる賞金稼ぎのマーキス・ウォーレンは寒さで馬がやられ立ち往生していた。 そこに通りかかったのが、同じく賞金稼ぎのジョン・ルースを乗せた馬車だった。彼は賞金首の女、デイジー・ドルメグをレッド・ロックという街まで連行している途中… ウォーレン、ルース、ドルメグを乗せる馬車は途中で1人レッド・ロックの新任保安官にクリス・マニックスに出会い、ひどい猛吹雪から避難するため彼らは中継地にある山小屋、ミニーの紳士洋品店に向かうことにする。 山小屋にはミニーの代わりに店番をしていると言う見知らぬメキシコ人のボブに加え、どこか胡散臭い英国訛りの男オズワルド・モブレー、無口なカウボーイのジョー・ゲージ、南部の元将軍サンディ・スミザーズの3人が同じく避難していた。 どこかお互いを怪しいと感じながらも、一夜を共にすることになった人種も境遇も違う彼ら…この吹雪の山小屋という密室でとんでもない事件が起こるとも知らずに… …といったもの。 なかなかバイオレンスな作品ですが、独特な雰囲気と、名優たちの台詞まわしが引き込まれる作品です。 吹雪の山小屋という舞台柄、作中に出てくるあたたかいコーヒーとシチューがとても美味しそうに見えます。 『ヘイトフル・エイト』でのコーヒー 『ヘイトフル・エイト』においてコーヒーは癒しと恐怖を与える存在でした。 そんなコーヒーが出てくるのは、まずチャプター3のジョン・ルースたちが山小屋へ到着するシーン。 ジョン・ルースは小屋に先客がいることを見つけ、オズワルド・モブレーに事情を聞きながらコーヒーに手を伸ばしますが、メキシコ人ボブが淹れたというそのコーヒーはひどい味でジョン・ルースは自らコーヒーを淹れ直します。 ちょっとした作業を終えて遅れてやって来た他の面々は、凍える身体を温めるため、そのコーヒーを美味しそうに飲み、その後もコーヒーを片手に何気ない会話をするというシーンが続きます。 ここでのコーヒーは凍える吹雪の中で物語に少しの安心と温かさを与えるアイテムでした。 もしてもう一場面コーヒーが出てくるのが、物語の大きな転機となるチャプター4です。 このチャプターで先程まで皆の身体を温めていたコーヒーは何者かによって毒が入れられ、それを知らずに飲んでしまった、ジョン・ルースと御者のO.B.は命を落とすこととなり、小屋内の空気は外の吹雪よりも冷たいものとなります。 先ほどまで安らぎを与えていたコーヒーが一転して恐怖と混乱を招く物に変わり、同じく物語も大きく転換していくのです。 コーヒーと体温の関係...
まーちんのコーヒーと映画:ヘイトフル・エイトの温かいコーヒー
思入れのあるコーヒー産地はコスタリカ、スタッフのまーちんです。 映画に出てくるコーヒーに注目するコラムの第3弾です! 『かもめ食堂』、『ベイビー・ドライバー』ときたこのシリーズ、次にフォーカスを当てるのは… クエンティン・タランティーノ監督作品『ヘイトフル・エイト』です! 雪山を舞台に繰り広げられるこの作品においてのコーヒーとは… シリーズ第2弾の『ベイビー・ドライバー』に関してのコラムはこちら→ベイビー・ドライバーから見るアメリカのコーヒー風景 『ヘイトフル・エイト』のあらすじ 『ヘイトフル・エイト』(原題:The Hateful Eight)は『パルプフィクション』などで有名なクエンティン・タランティーノ監督の第8作目の長編作品で2015年(日本では2016年)公開のミステリー西部劇です。 そんな『ヘイトフル・エイト』のあらすじは… 舞台は南北戦争終結から数年後の冬、猛吹雪が迫るワイオミング州の山中。 サミュエル・L・ジャクソン演じる賞金稼ぎのマーキス・ウォーレンは寒さで馬がやられ立ち往生していた。 そこに通りかかったのが、同じく賞金稼ぎのジョン・ルースを乗せた馬車だった。彼は賞金首の女、デイジー・ドルメグをレッド・ロックという街まで連行している途中… ウォーレン、ルース、ドルメグを乗せる馬車は途中で1人レッド・ロックの新任保安官にクリス・マニックスに出会い、ひどい猛吹雪から避難するため彼らは中継地にある山小屋、ミニーの紳士洋品店に向かうことにする。 山小屋にはミニーの代わりに店番をしていると言う見知らぬメキシコ人のボブに加え、どこか胡散臭い英国訛りの男オズワルド・モブレー、無口なカウボーイのジョー・ゲージ、南部の元将軍サンディ・スミザーズの3人が同じく避難していた。 どこかお互いを怪しいと感じながらも、一夜を共にすることになった人種も境遇も違う彼ら…この吹雪の山小屋という密室でとんでもない事件が起こるとも知らずに… …といったもの。 なかなかバイオレンスな作品ですが、独特な雰囲気と、名優たちの台詞まわしが引き込まれる作品です。 吹雪の山小屋という舞台柄、作中に出てくるあたたかいコーヒーとシチューがとても美味しそうに見えます。 『ヘイトフル・エイト』でのコーヒー 『ヘイトフル・エイト』においてコーヒーは癒しと恐怖を与える存在でした。 そんなコーヒーが出てくるのは、まずチャプター3のジョン・ルースたちが山小屋へ到着するシーン。 ジョン・ルースは小屋に先客がいることを見つけ、オズワルド・モブレーに事情を聞きながらコーヒーに手を伸ばしますが、メキシコ人ボブが淹れたというそのコーヒーはひどい味でジョン・ルースは自らコーヒーを淹れ直します。 ちょっとした作業を終えて遅れてやって来た他の面々は、凍える身体を温めるため、そのコーヒーを美味しそうに飲み、その後もコーヒーを片手に何気ない会話をするというシーンが続きます。 ここでのコーヒーは凍える吹雪の中で物語に少しの安心と温かさを与えるアイテムでした。 もしてもう一場面コーヒーが出てくるのが、物語の大きな転機となるチャプター4です。 このチャプターで先程まで皆の身体を温めていたコーヒーは何者かによって毒が入れられ、それを知らずに飲んでしまった、ジョン・ルースと御者のO.B.は命を落とすこととなり、小屋内の空気は外の吹雪よりも冷たいものとなります。 先ほどまで安らぎを与えていたコーヒーが一転して恐怖と混乱を招く物に変わり、同じく物語も大きく転換していくのです。 コーヒーと体温の関係...

まーちんのコーヒーと映画:ベイビー・ドライバーから見るアメリカのコーヒー風景
小さい頃はフォースの存在を信じてたベースコーヒースタッフのまーちんです。 映画に出てくるコーヒーに注目するコラムの第2弾! 前回は邦画でしたが、今回は洋画、しかも割と最近公開の『ベイビー・ドライバー』に出てくるコーヒーに注目したいと思います。 カーアクションやBGMが印象的な映画ですが、この映画においてコーヒーがどう登場するのか... ということで、「まーちんのコーヒーと映画」シリーズ第2弾は、2017年公開の『ベイビー・ドライバー』についてです! ちなみに第1弾の『かもめ食堂』に関してのコラムはこちら→かもめ食堂の美味しい淹れ方の秘密 『ベイビー・ドライバー』のあらすじ エドガー・ライト監督の『ベイビー・ドライバー』(原題:Baby Driver)は2017年公開のアクション映画です。 そんな『ベイビー・ドライバー』のあらすじは... 天才的なドライブテクを持ち、犯罪組織の“逃がし屋”として活躍する若きドライバー、アンセル・エルゴート演じる「ベイビー」は、子供のころの事故の後遺症で耳鳴りが激しく、普段から音楽を聴きその耳鳴りをかき消し生活している。 ある日ダイナーのウェイトレス、デボラと運命的に出会った彼は犯罪現場から足を洗うことを決意する。 しかし彼の才能を惜しむ組織のボスの「ドク」に脅され、無謀な強盗に手を貸すことになり、彼の人生は脅かされ始める...。 ...といったもの。 激しいカーアクション映像と音楽とがマッチするこの映画では、シアトル系カフェやアメリカンダイナーといったアメリカンなコーヒー文化が登場します。 『ベイビー・ドライバー』でのコーヒー 『ベイビー・ドライバー』においてコーヒーが出てくるのは、一団が強盗の一仕事を終えて一息つくシーンと、ヒロインのデボラが働いているダイナーでのシーンでです。 これらのシーンでは、世界有数のコーヒー消費国アメリカの大衆的なコーヒー文化を観ることができます。 激しいカーチェースから始ますオープニングが終わると、始まるのは主人公ベイビーが音楽にノリながらメンバーの分のコーヒーを買いに行くシーン。 買いに行く先はシアトル系コーヒー店で、注文中の店内にはパソコンを開いて作業をしている人や、談笑する人たちなど、日本でも見られる風景が広がっています。 また、デボラの働くダイナーのシーンでは、ウェイトレスがコーヒーがたっぷり入ったサーバーを持ち、おかわりがいる人には注ぎ足し、提供する形態。 サードウェーブの台頭で、現在ではアメリカでも、コーヒーを一杯ずつ丁寧に淹れてて提供するお店が増えているようですが、昔ながらのこれらの形態のお店もまだまだ少なくなく、そこでアメリカの人々が、コーヒーを楽しむ一場面を見ることができます。 また、コーヒーは作中において空気感を表現する一つのアイテムにもなっていました。 一仕事終わりコーヒーがテーブルに置かれ、リラックスした雰囲気が生まれたり、ヘマをしたメンバーに制裁が加えられたことを一つ残ったコーヒーカップが鑑賞者に察しさせたり、手が震えてしまいあふれるほどに注がれるコーヒーにデボラの恐怖感が表れていたり… 所々で緊張と弛緩を演出している一つの要素がコーヒーであったと感じます。 『ベイビー・ドライバー』から見るアメリカのコーヒー風景 作中ではシアトル系コーヒーとアメリカンダイナーの2つのお店が見られますが、それらは一体どのような物なのか?どのように広まっていったのか? 2つのお店の形態に関して簡単にご説明します! シアトル系コーヒーとは? ベイビーがコーヒーを買いに行くお店はコーヒーやエスプレッソドリンクを楽しむことができるシアトル系コーヒー店でした。...
まーちんのコーヒーと映画:ベイビー・ドライバーから見るアメリカのコーヒー風景
小さい頃はフォースの存在を信じてたベースコーヒースタッフのまーちんです。 映画に出てくるコーヒーに注目するコラムの第2弾! 前回は邦画でしたが、今回は洋画、しかも割と最近公開の『ベイビー・ドライバー』に出てくるコーヒーに注目したいと思います。 カーアクションやBGMが印象的な映画ですが、この映画においてコーヒーがどう登場するのか... ということで、「まーちんのコーヒーと映画」シリーズ第2弾は、2017年公開の『ベイビー・ドライバー』についてです! ちなみに第1弾の『かもめ食堂』に関してのコラムはこちら→かもめ食堂の美味しい淹れ方の秘密 『ベイビー・ドライバー』のあらすじ エドガー・ライト監督の『ベイビー・ドライバー』(原題:Baby Driver)は2017年公開のアクション映画です。 そんな『ベイビー・ドライバー』のあらすじは... 天才的なドライブテクを持ち、犯罪組織の“逃がし屋”として活躍する若きドライバー、アンセル・エルゴート演じる「ベイビー」は、子供のころの事故の後遺症で耳鳴りが激しく、普段から音楽を聴きその耳鳴りをかき消し生活している。 ある日ダイナーのウェイトレス、デボラと運命的に出会った彼は犯罪現場から足を洗うことを決意する。 しかし彼の才能を惜しむ組織のボスの「ドク」に脅され、無謀な強盗に手を貸すことになり、彼の人生は脅かされ始める...。 ...といったもの。 激しいカーアクション映像と音楽とがマッチするこの映画では、シアトル系カフェやアメリカンダイナーといったアメリカンなコーヒー文化が登場します。 『ベイビー・ドライバー』でのコーヒー 『ベイビー・ドライバー』においてコーヒーが出てくるのは、一団が強盗の一仕事を終えて一息つくシーンと、ヒロインのデボラが働いているダイナーでのシーンでです。 これらのシーンでは、世界有数のコーヒー消費国アメリカの大衆的なコーヒー文化を観ることができます。 激しいカーチェースから始ますオープニングが終わると、始まるのは主人公ベイビーが音楽にノリながらメンバーの分のコーヒーを買いに行くシーン。 買いに行く先はシアトル系コーヒー店で、注文中の店内にはパソコンを開いて作業をしている人や、談笑する人たちなど、日本でも見られる風景が広がっています。 また、デボラの働くダイナーのシーンでは、ウェイトレスがコーヒーがたっぷり入ったサーバーを持ち、おかわりがいる人には注ぎ足し、提供する形態。 サードウェーブの台頭で、現在ではアメリカでも、コーヒーを一杯ずつ丁寧に淹れてて提供するお店が増えているようですが、昔ながらのこれらの形態のお店もまだまだ少なくなく、そこでアメリカの人々が、コーヒーを楽しむ一場面を見ることができます。 また、コーヒーは作中において空気感を表現する一つのアイテムにもなっていました。 一仕事終わりコーヒーがテーブルに置かれ、リラックスした雰囲気が生まれたり、ヘマをしたメンバーに制裁が加えられたことを一つ残ったコーヒーカップが鑑賞者に察しさせたり、手が震えてしまいあふれるほどに注がれるコーヒーにデボラの恐怖感が表れていたり… 所々で緊張と弛緩を演出している一つの要素がコーヒーであったと感じます。 『ベイビー・ドライバー』から見るアメリカのコーヒー風景 作中ではシアトル系コーヒーとアメリカンダイナーの2つのお店が見られますが、それらは一体どのような物なのか?どのように広まっていったのか? 2つのお店の形態に関して簡単にご説明します! シアトル系コーヒーとは? ベイビーがコーヒーを買いに行くお店はコーヒーやエスプレッソドリンクを楽しむことができるシアトル系コーヒー店でした。...

まーちんのコーヒーと映画:かもめ食堂の美味しい淹れ方の秘密
はじめまして、ベースコーヒースタッフのまーちんと申します!好きな物はコーヒーと映画です。 世界中でたくさんの人が毎日コーヒーを飲んでいます、それはフィクションの世界でも変わりません。 いろいろな物語にコーヒーは登場し、時には重要な小道具であったりします。どのような形で出ているのか、どのような意味合いが込められているのか「フィクションの世界におけるコーヒーに注目してみよう」という考えから生まれたのがこの「コーヒーと映画」に関するコラムシリーズです! 時にはコーヒーがそんなに関係なくなってしまったり、私の趣味や個人的意見が入ってしまうこともあるかもしれませんがご了承ください。 ということで、「まーちんのコーヒーと映画」シリーズ第一弾は、2006年公開の日本映画『かもめ食堂』についてです! 『かもめ食堂』のあらすじ 2006年公開、荻上直子監督作品の『かもめ食堂』はフィンランドを舞台に、ゆったりとした人々の交流を描くヒューマンドラマです。 そんな『かもめ食堂』のあらすじは... 舞台はフィンランド・ヘルシンキ、小林聡美さん演じるサチエは日本食の食堂「かもめ食堂」をオープンさせも、なかなかお客さんがやってこない日々を送っていた。 そんなある日、日本オタクの青年トンミが初めてのお客さんとして来店し”ガッチャマン”のテーマソングの歌詞を教えてくれと言われるが、なかなか思い出せないサチエ... 同日にたまたま出会った片桐はいりさん演じるミドリに、思い出せなかったガッチャマンの歌詞を尋ねたことをきっかけに知り合い、ミドリもかもめ食堂で働くことになる。 サチエ、ミドリ、常連になったトンミの3人がゆったりと過ごすかもめ食堂に、次第にいろいろな事情を抱えた人たちが集まっていき、徐々にお客さんが増えていくのであった... ...といったもの。 食堂を中心に物語が進むこの映画において、おにぎりやシナモンロール、そしてコーヒーと言った食べ物は物語の重要なアイテムです。 『かもめ食堂』でのコーヒー 『かもめ食堂』においてコーヒーは、サチエとフィンランドの人々を繋ぐアイテムとしての効果を持ちます。コーヒーがそうした役割を持つのは大きく分けて2つ... 一つ目は青年トンミとのつながりを... ガッチャマンがきっかけでお店に訪れるトンミですが、お客さん第一号である彼にサチエは、ずっとコーヒーを無料で提供することを約束します。 それ以降毎日無料のコーヒーを飲みにトンミはかもめ食堂に通い続けることになり、新メニューの開発や、人々がさまざまな悩みを抱え訪れる場に立ち会うことになるのです。 もう一つは、突然現れた男性マッティとのつながりです... ある日、かもめ食堂を訪れたマッティはコーヒーを一杯オーダーし、「悪くはないが、もっとおいしい淹れ方を教えようか」とサチエにコーヒーの淹れ方を教えます。 湯を注ぐ前に、真ん中に指を指しくぼみを作り「コピ・ルアック」と呪文を唱えるマッティの淹れたコーヒーはとても美味しくサチエは感動します。 サチエも同じように呪文を唱え淹れたコーヒーをミドリに飲ませると「豆を変えたんですか?」と驚かれ、その後他のお客さんもおいしそうにコーヒーを飲むシーンが印象的です。 マッティはその後ちょっとした理由からある問題を起こすのですが...それは見てのお楽しみということで... フィクションに関係なく、フィンランドではたくさんのコーヒーが飲まれています。 1日に1人当たり平均して約4杯のコーヒーが飲まれているフィンランドでは、朝にコーヒーを飲み1日をスタートさせ、仕事の合間にはコーヒーで一息いたりと、多くの人にとってコーヒーは日常に欠かせない物です。 『かもめ食堂』でも多くのお客さんが食堂でコーヒーを飲んでいるシーンを観ることができます。 マッティの美味しいコーヒーの淹れ方について かもめ食堂の作中内でとても印象的な、真ん中に指を指し「コピ・ルアック」と呪文を唱えるマッティのコーヒー抽出ですが、「なぜ真ん中にくぼみをつけるのか?」、「コピ・ルアックとは?」そんな疑問を持った方もいるのではないでしょうか? ここではそれらの理由を簡単に説明したいと思います。...
まーちんのコーヒーと映画:かもめ食堂の美味しい淹れ方の秘密
はじめまして、ベースコーヒースタッフのまーちんと申します!好きな物はコーヒーと映画です。 世界中でたくさんの人が毎日コーヒーを飲んでいます、それはフィクションの世界でも変わりません。 いろいろな物語にコーヒーは登場し、時には重要な小道具であったりします。どのような形で出ているのか、どのような意味合いが込められているのか「フィクションの世界におけるコーヒーに注目してみよう」という考えから生まれたのがこの「コーヒーと映画」に関するコラムシリーズです! 時にはコーヒーがそんなに関係なくなってしまったり、私の趣味や個人的意見が入ってしまうこともあるかもしれませんがご了承ください。 ということで、「まーちんのコーヒーと映画」シリーズ第一弾は、2006年公開の日本映画『かもめ食堂』についてです! 『かもめ食堂』のあらすじ 2006年公開、荻上直子監督作品の『かもめ食堂』はフィンランドを舞台に、ゆったりとした人々の交流を描くヒューマンドラマです。 そんな『かもめ食堂』のあらすじは... 舞台はフィンランド・ヘルシンキ、小林聡美さん演じるサチエは日本食の食堂「かもめ食堂」をオープンさせも、なかなかお客さんがやってこない日々を送っていた。 そんなある日、日本オタクの青年トンミが初めてのお客さんとして来店し”ガッチャマン”のテーマソングの歌詞を教えてくれと言われるが、なかなか思い出せないサチエ... 同日にたまたま出会った片桐はいりさん演じるミドリに、思い出せなかったガッチャマンの歌詞を尋ねたことをきっかけに知り合い、ミドリもかもめ食堂で働くことになる。 サチエ、ミドリ、常連になったトンミの3人がゆったりと過ごすかもめ食堂に、次第にいろいろな事情を抱えた人たちが集まっていき、徐々にお客さんが増えていくのであった... ...といったもの。 食堂を中心に物語が進むこの映画において、おにぎりやシナモンロール、そしてコーヒーと言った食べ物は物語の重要なアイテムです。 『かもめ食堂』でのコーヒー 『かもめ食堂』においてコーヒーは、サチエとフィンランドの人々を繋ぐアイテムとしての効果を持ちます。コーヒーがそうした役割を持つのは大きく分けて2つ... 一つ目は青年トンミとのつながりを... ガッチャマンがきっかけでお店に訪れるトンミですが、お客さん第一号である彼にサチエは、ずっとコーヒーを無料で提供することを約束します。 それ以降毎日無料のコーヒーを飲みにトンミはかもめ食堂に通い続けることになり、新メニューの開発や、人々がさまざまな悩みを抱え訪れる場に立ち会うことになるのです。 もう一つは、突然現れた男性マッティとのつながりです... ある日、かもめ食堂を訪れたマッティはコーヒーを一杯オーダーし、「悪くはないが、もっとおいしい淹れ方を教えようか」とサチエにコーヒーの淹れ方を教えます。 湯を注ぐ前に、真ん中に指を指しくぼみを作り「コピ・ルアック」と呪文を唱えるマッティの淹れたコーヒーはとても美味しくサチエは感動します。 サチエも同じように呪文を唱え淹れたコーヒーをミドリに飲ませると「豆を変えたんですか?」と驚かれ、その後他のお客さんもおいしそうにコーヒーを飲むシーンが印象的です。 マッティはその後ちょっとした理由からある問題を起こすのですが...それは見てのお楽しみということで... フィクションに関係なく、フィンランドではたくさんのコーヒーが飲まれています。 1日に1人当たり平均して約4杯のコーヒーが飲まれているフィンランドでは、朝にコーヒーを飲み1日をスタートさせ、仕事の合間にはコーヒーで一息いたりと、多くの人にとってコーヒーは日常に欠かせない物です。 『かもめ食堂』でも多くのお客さんが食堂でコーヒーを飲んでいるシーンを観ることができます。 マッティの美味しいコーヒーの淹れ方について かもめ食堂の作中内でとても印象的な、真ん中に指を指し「コピ・ルアック」と呪文を唱えるマッティのコーヒー抽出ですが、「なぜ真ん中にくぼみをつけるのか?」、「コピ・ルアックとは?」そんな疑問を持った方もいるのではないでしょうか? ここではそれらの理由を簡単に説明したいと思います。...